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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070202-00000008-san-int から転載。
米で異例の「原爆」映画公開 被爆者に焦点
2月2日8時1分配信 産経新聞
■8月6、9日 知らぬ米国人/忘れる日本人
【ロサンゼルス=松尾理也】広島、長崎の被爆者へのインタビューをもとに原爆の悲惨さを訴えるドキュメンタリー映画「白い光、黒い雨」(スティーブン・オカザキ監督)が米国で製作され、このほど公開された。被爆者に焦点をあてた映画が米国で作られた例は極めて少ないという。オカザキ監督は「原爆投下の是非をめぐる政治的な議論を超え、実際の被害に対する認識と関心を呼び起こしたい」と話している。
同作品はこのほどユタ州で開かれたサンダンス映画祭で初公開された。広島、長崎の被爆者14人へのインタビューに加え、原爆投下にかかわった元米軍兵士へのインタビューを織り交ぜ、原爆がもたらした悲惨さを浮き彫りにする。日本でも今年夏に公開される予定だ。
オカザキ監督は広島、長崎への原爆投下について「9割方の米国人は何も知らない。残りの部分も、原爆投下が政治的に正しかったかどうかの論争を行っているだけ。被爆者の現実については、まったくといっていいほど知られていないのが実情」と説明する。
オカザキ監督は1995年、米スミソニアン航空宇宙博物館が企画した原爆展が、国内からわき上がった反対論のため事実上の中止に追い込まれた際、展示スタッフとして働いていた経験もあり、今回の映画について「被爆者を取り上げ、かつ政治的でないドキュメンタリー映画が米国で作られたのは、おそらく今回が初めて」という。
映画は東京・渋谷で若者たちに「1945年8月6日、9日に何があったか知っていますか」と問いかけ、全員が「知らない」と答えるシーンから始まる。オカザキ監督は「知らないと答えた若者だけを取り上げたのではなく、本当に全員が知らなかった。われわれにとっても予想外だった」と述べ、日本でも原爆に対する関心が薄れていることに驚きを隠さない。
「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)をはじめ、第二次世界大戦を題材にした映画の製作が相次いでいることについて、監督は「戦争を体験した世代に残された時間が少なくなりつつあることも作品ラッシュに関係していると思う」と語った。
オカザキ監督は第二次大戦中、日系男性と結婚していたため、白人でありながら強制収容所入りを選んだエステル石郷さんを描いた映画「デイズ・オブ・ウエイティング(邦題・収容所の長い日々)」で、アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞している。