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北沢洋子の国際情報
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ブッシュのイラン攻撃は4月か?
2007年1月23日
ブッシュ大統領が、国連安保理の制裁決議をエスカレートさせて、米英単独でイラン攻撃を開始するのではないか、という推測記事が、このところ盛んに報じられている。
その中で、これまで、早くからブッシュのイラン攻撃について警告を発してきたカナダのトロント大学グローバル研究センターのウエッブサイトに掲載された記事を紹介する。
筆者は、英国オクスフォードにあるPlanetary Movement のMichael Carmichael 代表で、07年1月16日付けの記事である。
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クエートで発効されている『ArabTimes』紙のAhmed Jarallah編集長は米政権の信頼すべき米政権筋によれば、「イランの核と石油施設を核攻撃する詳細な計画を作成している」と報じた。
また同じ『アラブ・タイムズ』紙は、国連筋の情報として、イラン攻撃の日程は、ブッシュの最大の同盟者である英国のブレア首相の5月に退陣と密接な関係があるとも報じている。ブレアは、イラク戦争ではブッシュと運命をともにしたために人気を失ってしまい、来る5月に首相の座を降りることになった。
ブレアが首相のうちにこのようなEU諸国に不人気な戦争を開始するとしたら、『アラブ・タイムズ』は、イラン攻撃の日程は4月になると報じている。
ホワイトハウスに近いアナリストは、良く計画されたイラン攻撃は、アハマディネジャド政権を弱体化させ、さらにイランの隣国のシリア政権転覆に繋がるかもしれないと予想している。
昨年12月、チェイニー副大統領はサウジアラビアを訪問し、アブドラ国王と面談した。サウジアラビアの油田地帯の住民はシーア派であり、イランの脅威に晒されている。チェイニーと国王の会談では、イラン攻撃が主なテーマであったことは疑いのないところである。
米空軍内の安全保障の戦略家であるSam Gardiner退役大佐は、ステルス爆撃機によるイランの攻撃目標の詳細な作戦図を完成させた、と声明した。それは、まず、米空軍のタンカーがブルガリアのような思いがけない場所に移動することからはじまる。このタンカーは、米基地からのB2爆撃機に燃料を供給することになる。タンカーの移動は、イラン攻撃の数日前となるという。
2003年、イラク攻撃に際して、ブッシュ・チェイニーがとった世論作戦を思い起こすと、ガードナー大佐の声明は、イラン攻撃の世論作戦として捉えるべきであろう。
イラン側では、先週行なわれた地方選挙で大統領派の候補が敗北した。ここで米国が攻撃すれば、アハマディネジャド大統領を利するだけだろう。したがって、人気が急落している大統領は、敵の攻撃を歓迎するだろう。
米国のイラン攻撃が世界経済に与える影響は大きい。現在すでにイスラエルの株が売られはじめており、株式市場の下落と対比するように、石油価格は1バレルあたり80ドルまで上がるだろう。米ドル、米政府債権、原材料価格は急落する。
米国内では3分の2の人びとがイラン戦争に反対しており、外交的手段での解決を望んでいる。
先週、すでにジョセフ・バイデン上院議員(デラウエア州選出・民主党)はライス国務長官に対して、イラク戦争の拡大に反対し、国境を越えたイランの攻撃は米国内で憲法上の危機をもたらすと警告した。
多分、イラン攻撃は、ニクソン時代のウオーターゲート事件に匹敵する政治危機をもたらすだろう。