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毎日【イラク:自動車爆弾テロで死者62人 掃討楽観論に冷や水】
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070219k0000e030068000c.html
イラク:自動車爆弾テロで死者62人 掃討楽観論に冷や水
【カイロ高橋宗男】ロイター通信によると、イラクの首都バグダッドでの18日の自動車爆弾によるテロの死者数は少なくとも62人となった。駐留米軍とイラク軍が14日にバグダッドで集中的な掃討作戦を開始して以降、同市内でのテロは減少傾向にあり、イラク政府は作戦の「大成功」(マリキ首相)を主張していたが、楽観論に冷や水がかけられた格好だ。
過去の掃討作戦でもイスラム教スンニ派の武装勢力などは軍事的な圧力を値踏みした上で、徐々に攻撃を再開させてきた。ロイター通信によると、駐留米軍司令官も掃討作戦開始直後の暴力減少は「一時的なもの」と慎重な見方を示していた。
ロイター通信によると、バグダッドでは通常、銃撃や拷問を受けた遺体が1日に約50体発見されるが、掃討作戦開始後は減少し、17日に見つかったのは5体だけだった。銃撃減少の理由としては、シーア派対米強硬派「サドル師派」の民兵組織マフディ軍が米・イラク軍の圧力回避を狙い、スンニ派住民を標的とした攻撃を控えている事情がある。
掃討作戦はスンニ派地区に集中しており、同派政治家らは「偏った作戦だ」と政府を非難している。17日にバグダッドを訪問したライス米国務長官もマリキ・イラク首相に「作戦は宗派の利害を超えて実施すべきだ」と不満を表明した。これに対しマリキ首相は「問題のない地域に兵力を割く必要があるだろうか」と作戦を正当化したとされる。こうした姿勢はスンニ派の目には「偏向」と映り、新生イラクの「国民融和」には逆効果となる可能性が高い。
スンニ派武装勢力の多くははすでに地下に潜ったとされる。18日のバグダッドでのテロのほか、17日にはシーア派聖地のイラク中部カルバラの検問所で治安部隊が自動車爆弾を発見した際、武装勢力はその場で爆弾を起爆させた。武装勢力はバグダッド以外でも攻撃の機会をうかがっているとみられる。
毎日新聞 2007年2月19日 14時13分
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