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<パトリック・コックバーン>さらに2万1500人の兵士(Falluja, April 2004 - the book)
http://www.asyura2.com/07/war87/msg/929.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 1 月 14 日 19:32:38: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://teanotwar.seesaa.net/article/31379330.html#more から転載。

2007年01月14日

さらに2万1500人の兵士

イスラエルと一緒にイランを攻撃する準備が進められる中、ブッシュ大統領がイラクに2万人の兵力増派を発表しました。パトリック・コックバーンによる簡単な状況分析。


さらに2万1500人の兵士
増派はアメリカ合衆国がイラクを永遠に立ち去らないのではないかとの恐れをかき立てている
パトリック・コックバーン
2007年1月12日
CounterPunch原文

米国がイラクに米兵をさらに増派することでイラク政府は弱体化し、より親米の政府に取って代わられる可能性がある。イラクに対する米国の関与増大により、イラクの人々は、米国がイラクを永久に占領し続けるだろうとの確信を強めている。「多くのイラク人が今や、アメリカ人は永遠にイラクから撤退しないだろうと考えている」とイラクの政治コメンテータ、ガッサン・アッティヤは述べる。

イラクには短期的に留まるだけだという米国の主張は嘘ではないかとの疑念をこれまでも抱いていた多くの人々は、その疑いが正当なものだったと信じるだろう。多数派のシーア派も、米国政府が、ヌーリ・アル=マリキ首相よりも米国の指示を喜んで実行する政府を押しつけるのではないかと恐れている。

ブッシュ大統領の演説の核心には、イラクでアメリカが行いたいことに誰もが従わなくてはならないというメッセージが存在する。シーア派の要塞であるサドル・シティ----250万人が暮らす----に対する米国の攻撃をイラク政府が阻止することはとても難しいだろう。文言上は、2004年6月に主権はイラクに返還されたが、マリキ氏によると、首相である彼も、米国の許可なしには軍の歩兵中隊一つとして動かすことができないという。バグダードにさらなる米軍旅団が駐留することになれば、米国の支配はさらに強化されるだろう。

米国のコンドリーザ・ライス国務長官が、マリキ氏の政府な「何とか今のところ」生き延びているだけだという脅迫発言を行ったことからも、米国政府が全面的な親米政権以外は認めないことをはっきりと示している。米国は、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のアデル・アブデル・ヘフディ率いる政府を昇格させるか、あるいはイヤッド・アライのような世俗の指導者を昇格させるかしようとするかも知れない。

「そうした政府は表面的には良好に見えるでしょうが、弱いものでしょう」とアッティヤ氏は語る。SCIRIの指導者アブドゥル・アジズ・アル=ハキムはシーア派の人気を失っているし、イヤッド・アラウィもあまり票を得ていない。

サドル氏とメフディ軍を消し去ろうという米国政府の活発な議論は、サドル氏が大きな力を持つ政治運動を代表していることを忘れている。サドル派は基本的に、イラク人人口の多数を占める貧しいシーア派の党である。サダム・フセインは1999年にムクタダの父モハンメド・サディク・アル=サドルとその子ども二人を殺したが、彼の運動を破壊することはできなかった。

サドルは今週、大アヤトーラ、アリ・アル=シスタニと話し合った。彼はおそらく米国との衝突を避けようとするだろう。2004年、米軍との二度にわたる軍事衝突で、サドルの部下は大きな損失を被った。それ以来、サドルは占領には反対するが、政治プロセスに参加している。シスタニ師の影響力は低下しているが、以前として重要であることにはかわりなく、彼はシーア派連合の解消を望んでいない。

全体として、イラクでの米国の立場は政治的理由で弱まっており、ブッシュ大統領は軍事的に立場を強めようとしている。2003年米軍が侵略してサダムを追放したことを、クルド人のほとんど全てとシーア派の多数が歓迎した。現在、シーア派のますます多くの人々が、シーア派のイラク建設を阻止しそれに反対する中心となっているのが米国であることに気づいている。

米国には、シーア派民兵を壊滅する力もスンニ派レジスタンスを壊滅する力もない。ブッシュ大統領は、演説を通して、シリアもイランもブッシュを助けるいわれなどないことを自ら保証した。「イランはイラクで妥協する容易があるが、敗北するわけにはいかない」とあるイラク人政治オブザーバは昨日語った。一方、米国が成功しないだろうという事実は、米国が実行を思いとどまることを意味しはしない。

パトリック・コックバーンは「The Occupation: War, Resistance and Daily Life in Iraq」(2006年10月, Verso)の著者。


投稿者:益岡

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