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読売【フセイン元大統領「礼賛」、アラブの官民に広がる】
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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070113i111.htm
フセイン元大統領「礼賛」、アラブの官民に広がる
【カイロ=柳沢亨之】昨年12月30日にバグダッドで死刑が執行されたサダム・フセイン元イラク大統領に対する賛美や処刑非難の動きが、アラブ諸国の官民双方の間で広がっている。
「反イスラエル」を最後まで叫んだ元大統領へのアラブ大衆の共感と、政変が自分たちにおよぶのを防ぎたい政権側の思惑が、図らずも一致した形だ。
「言葉を失った。死刑判決……。連中が書いた脚本通りだ。処刑が始まる」――。アラブ世界で絶大な人気を誇るエジプトのポップ歌手、シャアバン・アブドルラヒム氏(50)が元大統領処刑を非難して、近く発表する歌の一節だ。
地元報道によれば、アブドルラヒム氏は、イスラム教の祝祭「犠牲祭」初日の死刑執行に衝撃を受け、曲作りに励んだという。同氏は大衆の鬱屈(うっくつ)した反米・反イスラエル感情に訴えた歌風で知られる。
エジプトやヨルダンでは、民主化を求めているはずの野党勢力が処刑への抗議デモを行い、アラブ有数の独裁者だった元大統領の肖像を掲げ、英雄扱いしている。カタール紙も、論説記事の中で「サダムは勇敢に絞首台に向かい、米、イスラエル両国に挑んだ」などと称賛した。
一方、各国の政権側にも「フセイン礼賛」の動きが出ている。
カダフィ大佐率いるリビア政府は今月4日、絞首台へ向かう元大統領の「彫像建設計画」を明らかにした。同じく絞首刑に処されたリビア反植民地闘争指導者の彫像の隣に置かれる予定という。
アルジェリアの政権与党は、「民族と統一パレスチナ、イラクの主権を信じたアラブ指導者を暗殺した」と処刑を非難する声明を発表した。
こうした動きの背景には、米国やイスラエルの域内介入を防げないアラブ指導者に対する大衆の「無力感」(エジプト政治評論家)がある。
また、各国の指導者側にとっても、既存の政権が崩壊すれば「サダム後のイラクのような混乱が起きると(米国に)警告する狙い」(同)を込めているとみられる。
(2007年1月13日18時50分読売新聞)
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