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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2007-01-14/2007011401_01_0.html から転載。
2007年1月14日(日)「しんぶん赤旗」
イラク帰還の自衛隊員
自殺増加 計7人
内部文書で詳細判明
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アメリカの無法なイラク戦争とその後の占領支配によって治安の悪化がつづくイラクに派遣された自衛隊員のなかで、帰還後の自殺者が増えていることが十三日までにわかりました。自殺した自衛隊員が「『米兵には近づくな、殺される』と騒いでいた」と関係者は証言しており、イラク派兵が自衛隊員に耐えがたい精神的ストレスとなっていたことが本紙入手の内部文書などから浮き彫りになりました。(山本眞直)
防衛省広報課は、本紙の問い合わせに、イラクに派兵された自衛隊員(五千五百人)の自殺者が陸上自衛隊で六人、航空自衛隊で一人の合わせて七人と回答しました。
防衛庁(当時)は昨年三月、国会でイラク派兵隊員の自殺について、陸自が四人、空自が一人と答弁していました。
国会答弁以降も、陸自で二人が新たに自殺したことになります。
アメリカでもイラク帰還米兵の三割が精神疾患の症状(昨年三月)を訴えるなど「大義なきイラク侵略戦争」症候群は深刻ですが、自衛隊内でも同様の事態が進行しているとみられます。
本紙は、防衛庁の「平成17年度自殺事故発生状況」と題する内部文書を入手しました。
リストには自殺した日時、所属、職種、階級、既婚・未婚、自殺の手段などのほか、「特記事項」として通院状況や「海外派遣」の有無などが記入されています。
防衛省は、自殺した隊員の所属などは「プライバシーにかかわる」として公表していません。
自衛隊員の詳細な自殺者一覧の存在が明らかになったのは初めてです。
同文書によると、自殺者総数は四十七人(二〇〇六年一月現在)で、目を引くのはイラク派兵の隊員です。
▽〇五年四月三日 第一次イラク復興支援群に参加した北部方面隊第二後方支援連隊(旭川駐屯地)の二曹(29)が午前五時、自宅で自殺。
▽同五月二十七日 第四次イラク復興支援群に参加した東北方面隊第二〇普通科連隊(神町駐屯地=山形県東根市)の陸士長(23)が早朝、同演習場で自殺。
▽同八月七日 第二次イラク復興支援群に参加した北部方面隊第一一師団司令部(真駒内駐屯地)の三佐(38)=イラクで警備中隊長=が午前四時、一般道の車内で自殺。
安倍内閣は「防衛庁」から「防衛省」への昇格に合わせて、自衛隊の海外活動も「本来任務」に“格上げ”しました。米軍の新たなイラク増派策を無条件で支持し、「(国際貢献で)自衛隊の海外派兵はためらわない」(NATO理事会で安倍首相)と、自衛隊の海外派兵のいっそうの推進を表明しました。
自衛隊OBの一人は「自衛隊の海外派兵は憲法違反であり、イラク派兵のような海外活動が増えれば、一般隊員を危険にさらし、さまざまな犠牲を強いることになる。“一将功成り万骨枯る”という悲惨な海外派兵=海外活動の本来任務化は絶対反対だ」と話しています。