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米原潜衝突 事故原因の究明積極的に、福井?新聞
中東・ペルシャ湾のホルムズ海峡付近で、米原子力潜水艦と日本の川崎汽船所属の大型タンカーが衝突した。
双方の乗務員にけがはなくタンカーからの重油流出、米原潜からの放射能漏れなどの重大事態もなかった。しかし、もしタンカーの船底に大穴が開いていたらと考えただけでゾッとする。なぜ、事故は起きたのか。原因の徹底解明が求められる。
タンカーは原油を積んでサウジアラビアからシンガポールに向かう途中であり、米原潜は不審船を警戒する海洋保安行動のパトロール中だった。そのタンカーの船尾と原潜の船首が接触した。
国土交通省や川崎汽船によると、タンカーは衝撃音とともに船体が二度大きく揺れ直後に浸水したという。米原潜から短距離無線電話で「救助の必要があるか」と連絡が入ったが、潜水艦であることを名乗った以外「どこの船舶か」の問いかけにも答えないまま交信を切った。川崎汽船側は「船籍も明らかにしない対応は商船同士ならありえない」と不信感を募らせている。当然の怒りだろう。
最大の問題は事故原因であることは言うまでもない。ところがこれが判然としない。原潜が所属する米第五艦隊は「潜水艦は事故当時、潜水していた。緊急浮上は行っていなかった」とする。そして潜水していた原潜がタンカーの船底近くにいたことは認めたが正確な深度については「調査中」としている。これではどうして衝突に至ったのか皆目分からない。
米原潜浮上時の衝突との見方も残っている、という。そうなると原潜側が周囲の見張りなど適切な事故回避措置を怠った可能性も出てくる。米国は事故当時の安全確認態勢について詳細に説明をする責務があろう。
この種の事故では二〇〇一年二月、米ハワイ・オアフ島沖で浮上中の原潜が愛媛県立宇和島水産高校の漁業実習船・えひめ丸に衝突、実習生ら九人が死亡した惨事が忘れられない。日本政府はもっと敏感であるべきなのに塩崎官房長官は政府内の情報伝達について「どこに最初に(情報が)入ったか正確なところは承知していない」と語るなど危機管理の甘さもみられる。
事実関係や事故原因についても同長官は「米側に確認中」を繰り返すばかりだ。「米原潜は水中音波探知機(ソナー)は使っていたのか」「タンカーのスクリュー音は聞こえていたのか」などもっと積極的に問いかけるべきだ。漫然と回答を待ち究明を怠っていたら、過剰な対米配慮との批判も出かねないだろう。