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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu135.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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BS世界のドキュメンタリー「イスラエル対ヒズボラ」 イランのミサ
イル工場への長距離空襲をすることも考えられないことではない
2007年1月9日 火曜日
NHK-BSドキュメンタリー 1月7日放送
◆BS世界のドキュメンタリー「イスラエル対ヒズボラ」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=204&date=2007-01-07&ch=11&eid=16953
2006年 フランス トニ コミティ制作
2006年7月、レバノンのイスラム教シーア派組織・ヒズボラがイスラエル軍兵士2人を拉致したことへの報復として、イスラエル軍はレバノン南部への空爆を開始し、地上軍を投入した。こうして、6年ぶりとなるイスラエルのレバノン侵攻が始まった。国境付近の街を、レバノンとイスラエルの両側から取材。市民の生活を一瞬にして変え、両者の対立を深めることになったこの戦闘の実態に迫る。
ヒズボラのロケット攻撃を受け逃げまどうイスラエル兵
ロケット攻撃で負傷したイスラエル兵
イスラエルのメルカバ戦車は国境からほとんど進撃できず
◆中東全体に拡大の恐れ 重くのしかかる敗北の記憶 7月19日 日刊ベリタ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200607191835263
(前略)
1982年から1985年の3年間は、ゲリラは待ち伏せ攻撃と自爆攻撃に熟達して、ますます自信をつけ、IDFには激しく、鍛えられる経験となった。1985年までに、IDFはレバノンの最南部を除いて全面的に撤退することを迫られ、その過程で500人の兵士の命が失われた。40年近い国家としての存在の中で、イスラエル軍にとって最も明白な敗北となった。
この前例は、今日の紛争と極めて関連している。これに比較される例がある。1956年のスエズをめぐる英国の屈辱は、英国の若い海軍将校が育つ上での影響を与え、彼らが幹部将校として1982年にアルゼンチンとフォークランド戦争を戦った際に、彼らの展望を深く特徴づけた。米国の軍事指導部は、クウェートをめぐる1991年の湾岸戦争をベトナムでの経験を清算するものと見なした。同じように、現在のIDFの指導者は、ヒズボラによる以前の経験の影響を強く受けている。
イスラエルの新しい脆弱性
同時に、イスラエル人の肩にかかる歴史の重みは、必然的に現在の文脈のごく一部である。近年、イスラエルは単独主義の立場を展開させた。それは、ガザからの撤退とヨルダン川西岸からの部分的な撤退を基にしている。イスラエルを安全に保つため、巨大な壁と電流の通った防壁で囲まれた、まったく自立できないパレスチナという存在を残した。ガザから発射される低性能のロケットとレバノン南部から発射される高性能なロケットは、イスラエル人にとって、この政策が役に立たないことを示す最初のしるしである。
最初の危機は、ハマスの民兵が国境の地下深くトンネルをイスラエルまで掘り、イスラエルの兵士、ジラード・シャリートを6月29日に拉致したことによって引き起こされた。これだけでも厄介な問題だったが、7月12日のヒズボラの越境侵入は、ハマスと呼応したかどうかは別にして、もっと厄介であった。ジラート近くのイスラエル・パトロール隊への攻撃があったため、イスラエル軍が襲撃者を追跡した。世界で最も強力な戦車のひとつである重装備のメルカバ戦車が1300キログラムの爆弾で破壊され、5人のイスラエル兵士が死んだ。
直後の拡大で、イスラエルはレバノンへの数次の空襲を行い、ヒズボラはイスラエル北部へ、イスラエルの内部奥深く到達可能な新しいタイプのカチューシャ・ロケットを含む無誘導ロケットを打ち込んだ。最も目立ったのは、イスラエル海軍のサール5級ミサイル艦コルベットへの攻撃で、4人の乗組員が死亡し、同艦は大破した。
Ahi―ハニトは同級の3隻のうちひとつである。すべてイスラエルで設計され、米国で建造された。イスラエル海軍で最大で、最も防備が固い戦艦である。西側の水準では小型であるが、東部地中海での制海のため、“ステルス”の機能を持ち、巡航ミサイルに対して地点防空システムも備えている。Ahi―ハニトがベイルート国際空港を攻撃している時に、ヒズボラの部隊が発射したふたつのミサイルのうちひとつが当たった模様だ。ひとつのミサイルはそれたが、別のがヘリコプター・デッキ地域に当り、大きな損害を与え、4人の水兵が死亡、同船は沈没しかかった。
イスラエルからの未確認の報道では、そのミサイルはC−802対艦巡航ミサイルで、中国製のシルクウォーム・グループとよく呼ばれるものの変種であった。IDFがそのようなミサイルがレバノンに配備されていたことを知っていたか、明らかでない。そのミサイルはレーダーで制御され、十分な「対妨害電波」能力を持っているが、サール5級コルベットは、そのような攻撃に対して、特に設計され、装備されていた。
それによる不気味な側面のひとつは、そのミサイルがレバノンでヒズボラと行動をともにしているイラン革命防衛隊の特別部隊によって発射された、というIDF筋からの話である。これが正しいかどうか別にして、このことは、現在の拡大にはシリアとイランの影響が見えるため、米国の介入が必ず必要になるというワシントンでの声高な議論に拍車を掛けている。(ネオコン雑誌Weekly Standard参照 訳注2)
ヒズボラの侵入、Ahi―ハニトへの攻撃、ハイファへのミサイル攻撃とすべてが立て続けに起き、IDFは国際的な反感から休止を強いられる前に、即時、大規模行動をとるという以前のパターンで応じている。レバノンでの現在の爆撃作戦は、ふたつの目的がある。さらなるミサイルとロケットの発射を阻止するために、輸送体制とヒズボラの兵站ネットワークに損害を与えることと、レバノン人に懲罰を加え、レバノン軍にヒズボラを抑えさせるために、レバノン経済を大規模に標的にすることである。
どちらもうまくいくという見通しは、ほとんどない。ヒズボラは1万2000以上のロケットとミサイルを保持していると伝えられる。そのほとんどが107ミリと122ミリの無誘導カチューシャ・ロケットで、後者は最大30キロメートルの射程を持っている。だが、ハイファへの攻撃は、40キロメートルの射程を持つ、より強力な240ミリのファジル3を使用した可能性を示していそうだ。さらに、7月16日のずっと内部のガリラヤのアフラへのミサイル攻撃は、70キロメートルの射程を持つ、333ミリのファジル5が実戦配備されているのかもしれないことを示している。
ヒズボラの膨大なミサイルの備蓄は何年もかかって築かれ、レバノン南部で複雑に分散されて、配備された。このことは、もしヒズボラが武装闘争を続けていく気なら、レバノン南部に全面的な侵入だけが、さらなる攻撃の実行を阻止することができる。
ヒズボラに損害と懲罰を与えて、レバノンがヒズボラを抑制するようにさせるというイスラエルの意図については、7月17日のレバノン陸軍と海軍部隊へのイスラエルの攻撃は、そのような政策の存在自体に疑義が生じる。もし、レバノンがヒズボラを統治するよう「促される」なら、レバノン軍を攻撃することは意味がない。
このことは、大規模爆撃の継続は、IDFが数日内に大規模な地上攻撃を起こす準備ではないかと言うことを示唆する。イスラエルが空襲を、ヒズボラへの武器と装備の輸送に使われている空軍基地などシリアの特定の標的に拡大する可能性もある。実際、IDFがヒズボラへの支持を抑制するようイランへの警告として、イランのミサイル工場のひとつかそれ以上への長距離空襲をすることも考えられないことではない。
レバノンの施設への攻撃を続けることと、シリアとイランの特定の場所を標的にすることは、ヒズボラにはほとんどか、まったく影響を与えないであろうし、地域全体に反イスラエル、反米ムードを大いに増すことになるであろう。それでもイスラエルを止めさせることはできないであろう。7月16日のサンクトペテルブルクでの先進8カ国首脳会議で出された声明で減じることはない、ワシントンからの強力な支持があるからである。
イスラエル社会は、ある程度まで、ここ数日の経験で精神的なショックを与えられた。この意味において、イスラエルの政治指導者がハイファへの攻撃はすべてを変ると言っているのは正しい。イスラエル人は、軍事力とパレスチナ地域の圧倒的な支配を通じて高度の安全保障を得たと思っている。しかし、それが期待できなくなったいま、脆弱になった。
戦争挑発か和平か
外部からの介入だけが、数日内の大幅な拡大を阻止するであろうが、米国や英国からそのような介入がくる兆しはない。トニー・ブレア政府も、シリアとイランのせいにした。欧州連合がその影響力を行使する機会であったかもしれないが、その筋からの指導力の兆しはない。国際平和維持軍をレバノン南部に派遣するというコフィ・アナン国連事務総長とトニー・ブレアからの提案は、イスラエルが断固として拒否した。
ヒズボラが、イスラエルの脆弱性を実証して十分な政治的進展を達成したと判断しない限り、ヒズボラは引き下がりそうにない。仮にヒズボラがそうしても、IDFは自制しないであろう。1980年代の敗北の記憶は、イスラエルの軍幹部将校の心に重く、苦い重荷になっている。それが現在の危機が非常に危険で、地域全体に拡大する可能性のあるひとつの理由である。
(私のコメント)
1月7日のNHK-BS1で「イスラエル対ヒズボラ」というドキュメンタリー番組が放送されていたので見ました。去年の7月から8月にかけてのレバノン南部でのイスラエル軍とヒズボラとの戦闘を記録したものですが、ニュースでは分からなかった戦闘の模様を知る事ができた。
フランスのテレビ番組なのですがイスラエル軍側の様子とレバノンの住民達の様子が詳しく取材されていた。イスラエル軍の士気は低く厭戦気分が漂っていた。イスラエル軍はヒズボラの攻撃を恐れて昼間は移動せず、夜間移動して前進するのですが、ヒズボラも夜間暗視装置を持っていて攻撃してくる。
取材班が同行した部隊は戦車と兵員輸送車の部隊ですが、数百メートルも離れたところからロケット砲を打ち込んでくるのでどこから攻撃してきたのか掴めずに逃げまどうばかりで、戦車を歩兵部隊が守るというおかしな戦闘だった。ヒズボラは高性能の対戦車ロケットも持っているので戦車を先頭にして進撃が出来ず国境からほとんど進めない。
空にはイスラエルの無人偵察機が飛び、動くものを空爆や砲撃で攻撃するのですが、レバノンの住民もゲリラ兵も見分けがつかないから、フランスの取材班もイスラエルの攻撃にさらされた。イスラエル軍の地上部隊はレバノン領内にあまり進撃が出来ず、もっぱら空爆による攻撃しか出来なかったようだ。
もしヒズボラが対空ミサイルを装備したら空爆もできなくなりイスラエルに深刻なダメージを与えるだろう。イスラエル軍は200名近くの戦死者を出したが多くが戦車兵であり、ヒズボラのロケット攻撃でイスラエル軍の戦車部隊はほとんど国境線で足止め状態だったようだ。
番組の最後に負傷したイスラエルの衛生兵のコメントで「我々は何一つ戦果を上げられなかった」と述べていましたが、明らかにイスラエルの敗北であり、ヒズボラに高性能なロケットを供給する国がある限りイスラエルは勝ことが出来ない。せいぜい報復爆撃をすることぐらいであり、それはヒズボラではなくレバノンの一般住民を攻撃するだけなのだ。
イスラエルとヒズボラの戦闘は外国の新聞報道ぐらいでしか知る事ができませんでしたが、フランスの従軍取材班が映したドキュメンタリーは戦争の状況を生々しく知る事ができた。
イスラエルとしてはヒズボラを支援しているイランを叩くしか方法はないだろう。しかしイランを空爆すればイランも反撃して一挙に中東大戦争に発展する危険性がありますが、それを警戒してアメリカは空母を二隻アラビア湾に派遣していますが、イランを攻撃するためと言うよりもイスラエルの暴発を防ぐ為ではないかと思う。
イスラエルからすればイラクにアメリカ軍がいるうちにイランを攻撃してアメリカ軍を巻き込んで戦争したいところだ。しかしアメリカの支援なしにはイスラエルは何も出来ないから、ブッシュの決断次第になります。ブッシュは10日に新たなイラク政策を発表しますが、2万人の増派は気になる。
◆ブッシュ大統領、10日に新たなイラク政策を発表 1月9日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070109-00000895-reu-int
[ワシントン 8日 ロイター] スノー米大統領報道官は8日、ブッシュ大統領が米東部標準時間10日午後9時(日本時間11日午前11時)に国民に向けて演説し、新たなイラク政策を発表することを明らかにした。
同報道官は「ブッシュ大統領は、イラク問題や世界的な対テロ戦争に関する今後の計画について演説する」とし、ホワイトハウスが米テレビ各局に中継を依頼、放送局側がそれを検討していることを明らかにした。
大統領は政策の最終調整を行っているという。政府当局者によると、イラク駐留米軍の最大2万人の増派が盛り込まれる見込み。