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(回答先: イラク 政府 携帯電話による死刑映像流出で調査 【NHK】 投稿者 どさんこ 日時 2007 年 1 月 03 日 07:50:41)
【バグダッド/イラク 2日 AFP】サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の処刑をビデオで隠し撮りし、インターネットに掲載した人物について、イラクで調査が開始された。ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相に近い筋が2日、明らかにした。
■流出した映像により、スンニ派、シーア派間の緊張が激化
30日の死刑執行以来、処刑の一部始終を撮影したビデオ映像は、インターネットと携帯電話を通じて山火事のような勢いで世界中に広まった。
この隠し撮り映像は、国営放送が公表した短時間映像よりも強烈で、宗派色をあからさまにして愚弄する立会人たちの態度が明らかになり、国内のスンニ派、シーア派間の緊張状態に油を注ぎ激化させている。匿名の首相筋高官は2日、「処刑中に叫んだ者は誰か、さらにこの映像を撮影した者は誰かについて、調査が開始された」とAFPに明かした。
隠し撮りビデオは約2分30秒で、イスラム教シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の名前を叫ぶ立会人や、フセイン氏に侮辱の言葉を浴びせかけるシーア派の立会人らが写されている。
映像では、処刑人がフセイン元大統領の首に処刑用の縄を掛ける間、立会人のひとりがあざ笑うように「ムクタダ!ムクタダ!ムクタダ!」と、サドル師の名前を叫んでいる。
強硬派のシーア派聖職者サドル師は、兵力6万人の兵組織「マハディ軍(Mahdi Army)」を率いているが、米司令官によるとマハディ軍はスンニ派民間人に対する攻撃を実行しており、イラクで現在最も危険な武装勢力だとされる。
フセイン元大統領の処刑を実行した関係者の中に、このサドル師支持者がいたとみられ、一方でサダム政権時代を懐かしみ、国内の大混乱に対する非難を米国とマリキ政権へぶつけるスンニ派をいっそう憤慨させている。
■アラブ諸国では、「法の行為ではなく、宗派間リンチ」という声も
さらに映像には、死刑台の踏み板が外れ、落ちたはずみでフセイン氏の首が折れる瞬間や、周囲の歓声の中、元大統領が息絶える様子がとらえられている。最後は縄で作られた輪の中で、力なく傾く元大統領の頭部のクローズアップで終わっている。
アラブ諸国のメディアでは、同映像について多くのコメンテーターが、この処刑を「法の行為」ではなく、「宗派間リンチ」のように見せるものだと批判している。
また、イスラム教のメッカ(Mecca)大巡礼明けの犠牲祭イード・アル・アドハ(Eid Al-Adha )の初日に執行されたことについても批判が集まっている。犠牲祭はイスラム教徒にとって伝統的に「寛容」と「慈悲」の時を象徴する。
しかしイラク当局側は、フセイン氏は公式に犠牲祭が開始される前の、30日の夜明け前に息絶えた、と強調している。
処刑後、国内のスンニ派地域では処刑に対する抗議が後を絶たず、宗派間対立が激化している。
写真は2日、フセイン元大統領の故郷アウジャ(Awja)に近いAl-Dawrで、フセイン氏の肖像画を前に立つスンニ派の武装グループ。(c)AFP/STR
http://www.afpbb.com/article/1207835?lsc=1&lc=4