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http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200612221657
【テクノバーン】(2006/12/22 16:57)写真に写っているのは米国が弾道ミサイル防衛システムの要として開発を進めてきた巨大な海上X波レーダー基地(SBX: Sea Based X-Band Rader)だ。このレーダー基地はテキサス州で開発が進められた後、ハワイでの最終儀装作業を行い、現在はアラスカ州アダックで米国に向けて飛来する弾道ミサイルの警戒任務にあたる予定となっている。ところが、全てが完成してアラスカまで運んできた段階で思わぬ障害に出くわし、運用に入ることができない状態が続いているという。
いったいどういった問題が発生したのだろうか?
このSBXは全長117メートル、幅72メートル、高さ84メートルにも及び、重量は5万トンにも及ぶ。デッキはフットボール場よりも一回り広いサイズをもっている。巨大さから運用にあたっては75名もの作業員が常時、乗船して運用監理やメインテナンスを行う必要がある。
当然、その75名分の食料や水などの補給が必要となる。また、船体の維持のためには約600万ガロンものディーゼルエンジン用の燃料も必要となる。
SBXの製造開発を請け負ったボーイング社では補給用にヘリポートを設置したが、後で、このヘリポートに着陸可能なヘリコプターは米軍も沿岸警備隊も保有していないことが判明。そのためにに急遽、食料、燃料は船舶輸送をする方式に切り替え、補給物資や人員はSBXのクレーンを使って補給船から吊り上げる方式に切り替えたのだが、現地は夏の一時期を除いて1年中時化(しけ)が続くアラスカとなる。アラスカまで曳航して停泊予定地に停めてみたところ、常時9メートル前後の荒波が押し寄せてくる状態が続いており、クレーンで吊り上げるどころか、補給船を停めることさえも困難だということが判明してしまったのだ。
ミサイル防衛局の担当者は数1000億円を投じて開発したレーダー基地が燃料などの補給問題で使えなくなるとは皮肉な話だと述べており、現在、対応に苦慮している。