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□強硬外交路線のイランと米大統領、高まる内圧に足元揺らぐ [ライブドア・ニュース]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2895118/detail
強硬外交路線のイランと米大統領、高まる内圧に足元揺らぐ
【ライブドア・ニュース 12月22日】− AP通信によると、国際社会の緊張状態を招いているイランでその問題となっている核の開発を進める同国のアハマディネジャド大統領の政権運営能力への信任を問う選挙が今月15日に行われたが、外交問題を優先課題として取り組む大統領の保守強硬派は大きな後退を余儀なくされた。大統領の支持基盤である保守強硬派の敗北の背景には、外交に軸足を置く政策方針に対して、インフレに悩む経済対応への無策や、石油利益の分配など大統領選挙時の公約が実施されていないとの苛立ちや不信票が保守穏健派や改革派に流れたものとみられている。
同国で15日に行われた専門家会議(定数86)と地方評議会の両選挙では、大統領選挙時にアハマディネジャド前テヘラン市長を支えた票が割れるなかで、保守穏健派と改革派が勢力を回復し、大きく議席数を伸ばした。
大統領の中心的支持基盤である首都テヘラン市評議会選でさえも、定数15のうち穏健派が7議席、改革派が4議席、無所属が1議席を占め、大統領が率いる保守強硬派は3議席にとどまった。特に2009年の次期大統領の有力候補と目されているガリバフ市長の保守穏健派が巻き返しを図った格好だ。そのほか、シラス、バンダール・アッバス、サリなどの地方都市で保守強硬派は獲得議席ゼロという惨敗の結果に終わった。
こうした保守強硬派の地盤沈下がみられるなか、国営IRA通信によると、アフマディネジャド大統領は21日、遊説先の同国西部で、「尊敬すべき紳士よ、ガラスの宮殿を出て、己が世界中から最も嫌われている人間であることを知るがいい」と述べ、イランの核開発を敵視し、22日に予定されている国連安全保障理事会の対イラン制裁決議を主導したブッシュ米大統領を強く非難した。
また同大統領は、制裁決議に関わらず、これまで通りウラン濃縮を続行するとの態度を改めて示した。これまでのところ、大統領は選挙結果について直接はコメントしていないが、“外敵”をアピールすることで、国内での求心力低下を食い止めたい狙いとみられる。
しかし、大統領の強硬な外交姿勢とは裏腹に、今回の選挙で対抗勢力は、11%という高い失業率や実質年30%のインフレ率、貧困撲滅計画の遅延など、アハマディネジャド政権が公約を果たせず内政に失敗したことを強く訴え、支持を集めていた。このためアハマディネジャド大統領の対米やイスラエルなどに対する強硬な外交姿勢には、政権基盤の保守派でも支持が別れているとの観測が根強い。
評議会選挙と同時に行われた、最高指導者の任免権のある専門家会議選挙でも、対米柔軟路線を訴える穏健派のラフサンジャニ元大統領を推す勢力が50議席以上を獲得し、大勝したことでも示されている。また、ハタミ前大統領の改革派も10議席前後と挽回した。同国では反体制的メディアへの規制の動きが顕著だが、今回の選挙結果を受け、穏健的保守紙「エテマド・エ・メリ」は21日の社説で、「耳と目があるなら、大統領は選挙結果を尊重して路線変更を検討すべきだ」との論陣を張るなど、穏健派の勢力伸張を印象付けている。
アフマディネジャド大統領は遊説のなかで、ブッシュ大統領を「世界一の嫌われ者」と呼び非難したが、両大統領ともに厳しい内圧の高まりに足元が揺らぎ始めている。 【了】
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イラン、「ユーチューブ」への接続を禁止=国境なき記者団(2006年12月6日)
海外トピックス
ライブドア・ニュース 中西庸記者/金子登記者
(参照:http//blog.livedoor.jp/emasutani/)
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2006年12月22日15時33分