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中国が11日、高度800kmの軌道上にある自国の気象観測衛星を地上から発射された弾道ミサイルにより攻撃し、衛星の破壊に成功していたことが判った。米情報当局からの情報として17日付けの英アビエーションウィーク誌が報じた。
対衛星兵器(ASAT)の攻撃目標として使われたのは中国が1999年に打ち上げたFY-1C(Feng Yun 1C)極軌道気象観測衛星となる。中国は酒泉スペースセンター(Xichang Space Center)の近くからASATを発射。米東部標準時で午後5時28分に衛星の破壊に成功した。
事前情報を入手した米情報当局が監視活動を行うなか、米空軍のミサイル警戒衛星が最初に中国のASATの発射を探知。その後は空軍のスペース・コマンドが軌道上にあるFY-1C衛星の監視を続け、ASATの実験結果を確認した。
アビエーションウィーク誌は米情報当局からの情報が正しいとした場合、衛星が破壊された結果、生まれた多数のデブリにより他の衛星にも影響を与える可能性があると警告している。
画像は今回の中国の実験で攻撃目標となって破壊された中国のFY-1C衛星。
米国は1970年の後半から今回、中国が実験したものと同じようなASATの開発に着手。その後、空中発射型のロケットミサイル(ASM-135 ASAT)の開発に成功。1985年にF-15戦闘機からASM-135を発射して軌道上にある使われなくなった衛星の破壊実験に成功した。しかし、この実験では地上から観測可能な程おおきなスペース・デブリが約200個も発生。このデブリが全て地球に落下して軌道が再利用可能となるには約17年の年月が必要となった(Krepon, Michael. "Seven Questions: Space Weapons." Foreign Policy. July 2005 issue)。ミサイルによる衛星の破壊は結果として生じたデブリにより他の衛星に2次被害をもたらす危険性が高いことが判明したため、米国はその後、地上発射型のASATの実験は行っていない。