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http://www.asahi.com/international/update/0119/012.html から転載。
インド人女優に人種差別発言? 英の人気番組に抗議殺到
2007年01月19日11時59分
有名人らを数週間にわたり外界と隔離した一つ屋根の下で共同生活させ、その一部始終を連日放映する英民放チャンネル4の人気番組の中で、インド人女優シルパ・シェティさん(31)に対して、人種差別とも受け取られる言葉が白人の「同居人」たちから浴びせられ、波紋を広げている。テレビ局には苦情が殺到、インドでは番組プロデューサーの人形が燃やされる抗議行動が起き、英印両国を巻き込んだ問題に発展している。
インド東部のパトナで17日、番組プロデューサーの人形を燃やし抗議をする、インド人女優シルパ・シェティさんのファンら=AP
番組は「セレブリティー・ビッグブラザー」。現実に似せた仮想空間で、一般人や有名人の生活ぶりをカメラで隠し撮りする「リアリティー番組」の一つ。
この中で、同居人の複数の白人女性がシェティさんに「インドでは小屋に住んでいるのか」「手で食べ物をつかんで食べるのか」と尋ねたり、「スラムに帰れ」「まともな英語もしゃべれない」などとののしったりした。彼女を「イヌ」とさげすんだという報道もある。
シェティさんは番組の中で「私は私の国を代表している。これが今の英国なの? おそろしい」と抗議した。
放映後、英国の放送事業を監督する情報通信庁(OFCOM)やチャンネル4には、18日までに英国内の視聴者らを中心に合わせて3万5000件を超す抗議や苦情が殺到。情報通信庁は人種差別があったかどうか調査を始めた。
ロイター通信によると、インド政府は事態を重くみて英政府に事実関係の調査を要請した。インドを訪問中のブラウン英財務相は「寛容な国であるという英国の評価を傷つけるものだ」と批判。首相官邸は「英国はいかなる人種差別も断じて許さない」と声明を出し、火消しに追われた。
視聴者の反発を恐れた英企業が番組のスポンサーを降りる動きも出ているが、チャンネル4は「問題の発言は人種差別からではなく、社会的、文化的な衝突だ」とし、番組を継続する考えだ。人種差別の批判を浴びた白人女性の代理人は「不自然でストレスの強い環境に長く置かれたことから来る、個性のぶつかり合い以外の何ものでもない」と話した。
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〈リアリティー番組〉 特殊な環境に置かれた人たちの様子や会話を、隠しカメラで24時間収録、放映。欧米各国で人気を集め、「ビッグブラザー」は99年にオランダで初放映され、英国では01年に放送が始まった。視聴者の投票で「これ以上見たくない」とされた参加者が毎週脱落し、最後まで残った参加者が多額の賞金を手にする、といった趣向。「ビッグブラザー」は昨年は20カ国で制作された。