アメリカでは超ベストセラーなのに、なぜか日本では紹介されない本。どうみても日本人の興味を引きそうなのに、いまだに翻訳が出ないのが不思議なのが、ジョン・パーキンスのConfessions of an Economic Hit Man(『エコノミック・ヒットマンの告白』)です*。グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わないアメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。
* ジョン・パーキンス John Perkins, 1971年から81年まで国際コンサルタント会社Chas T. Mainのチーフ・エコノミストをつとめた。退職後に出版した回想録Confessions of an Economic Hit Man: How the US Uses Globalization to Cheat Poor Countries Out of Trillions(『エコノミック・ヒットマンの告白:グローバリゼーションを利用して貧国から巨万の富を巻き上げてきた米国の手口』)で、この時期の自分の役割は米国諜報機関と多国籍企業の手先であり、「経済の刺客」として第三世界の指導者たちをかどわかし、自国民を犠牲にして米国企業を優遇する経済政策をとらせてきたと告白した。最近その続編The Secret History of the American Empire: Eonomic Hit Men, Jackals, and the Truth about Global Corruption (『アメリカ帝国秘史 経済刺客、ジャッカル、グローバルな腐敗の真相』)が出版された。