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自民党で7日に開かれた地域ブロック別の国会議員懇談会や代議士会で、安倍首相の参院選惨敗の責任を指摘する意見が相次いだ。一部の派閥幹部からは退陣を促す声も出ており、首相批判はなお広がる可能性がある。
7日夕の中国・四国ブロックの会合では、谷垣派事務総長の中谷元・元防衛長官が「今、党が置かれている状況は、急場しのぎではなく、抜本治療が必要だ。そのためには、信頼と求心力が不可欠で、今の首相のままでは再出発にはならない」と首相の退陣を要求した。
高村派事務総長の村上誠一郎・元行政改革相も「最高責任者がもっと切実に反省しない限り、下の部下を替えても本当の人心一新にならない」と同調した。
九州ブロックの会合では、「首相は両院議員総会に出席し、自らの進退の是非について党内の意見を聞くべきだ」という声が続出した。ただ、会合終了後、丹羽・古賀派会長の古賀誠・元幹事長は「行くも地獄、退くも地獄だ。(首相は)行くことで(政権を)担ってみようということなので、それは一つの決断だ」と続投容認の考えを示した。
これに先立ち、同日昼に開かれた代議士会では、首相のすぐ隣でマイクの前に立った中谷氏が、「一度首相は身を引くべきだ」と退陣論を展開した。小坂憲次政調副会長(津島派)や石破茂・元防衛長官(同)も「(首相が)何を反省するかが大事だ。それを明らかにしてほしい」と批判した。
首相は険しい表情で、こうした意見を聞いていた。7日夜には首相官邸で記者団に、「厳しい意見も受け止めていかなければならない。改革を進めることによって責任を果たしていく」と語った。
谷垣派は7日夕、都内で会合を開き、今後の対応を協議した。冒頭には、首相を厳しく批判している加藤紘一・元幹事長も出席した。谷垣派の幹部からは「次の内閣改造で入閣を打診されても断る」という声も出ており、同派は「反安倍色」を強めつつある。(2007年8月8日0時48分 読売新聞)
インターネットで各社の自民党内の動きを検索したところ、以上の記事がいちばん詳しい記事だった。マスコミは自民党や安倍首相をもう突き放してその動静には興味がないということなのか、それともあいかわらず安倍首相を支持しその続投を応援しているのであろうか? どちらだとしてもマスコミの姿勢としてはその識見が問われる。国民に不信任を突きつけられた安倍首相や自民党がいかなる行動をとるのかということは、民主主義にとってきわめて重要なことなのである。
それにしても首相は代議士会に先立つ両院議員総会で「私に対して職を辞せよとの声があることは承知しているが、改革を進めることで責任を果たさなければならないと決意した」と続投への理解を求めたという。テレビなどでも同じような発言を繰り返しているが、“改革を進めることで責任を果たす”いう言葉がなんとも虚しい。何らの政治的メッセージも伝わってこない。安倍首相の表情も声色は完全に死んでいる。何らの政治的メッセージも伝わってこない。自民党は死んだ総裁の下で危機を乗り切れると本当に考えているのか。政治的に完全に死んでいる首相を戴く国民は不幸である。
しかし、野党はなぜ安倍首相の不信任案・解任決議案を提出しないのであろうか。先の国会とは会期が違うのであるから、一事不再議にはならないのであるが……。野党から不信任案が提出された場合、安倍首相の退陣を主張する自民党や公明党の国会議員は悩まざるを得ないだろう。与党に対する大きな攻撃になるのである。国政調査権を駆使してこれから政府与党を攻めるというが、そんなことよりまず内閣不信任案・解任決議案を提出することである。提出しないのであれば、その理由をぜひ明らかにしてほしい。国民は野党に十分な議席を与えたのだが、これを有効に使えないのではどうにもならない。課題は多い。
それでは、また明日。