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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080616-00000012-gen-ent
「勝ち組はみんな死ねばいい」――。携帯サイトの掲示板にこんな書き込みをした後、秋葉原で17人を殺傷した加藤智大(25)。その“狂気”の素顔が次々と明らかになる一方で、加藤が在籍していた派遣会社「日研総業」(本社・東京)にも注目が集まっている。
この会社、05年に放送されたNHKスペシャル「フリーター漂流」の舞台としても取り上げられていた。番組は、日研総業の契約社員として工場で働く若者の実像を描いたドキュメンタリーだ。これが何者かによって無料動画サイト「YouTube」にアップされ、5000回近くも閲覧されているのだ。
「番組中、日研総業は栃木の通信機器メーカーの『請負会社』として登場します。日研総業に登録した35歳のAさんは、工場で何度も配置転換を繰り返された揚げ句、『技能がつかない』と嘆いて工場を去りました。25歳のBさんは工場勤務経験を買われて班長を任されたが、賃金には反映されなかった。おまけに無理がたたって病に倒れ、給料は早退分などを引かれ、6万7000円。日研総業の部長は番組で、『必要なときに必要な人材を、がうたい文句。毎日が戦争。1人でもタマを送りたいというのが本音です』と言っていました」(メディア関係者)
加藤の場合、請負ではなく派遣社員として自動車部品工場で働いていたが、状況は似たり寄ったり。月収約20万円から、5万円もの寮費が天引きされていたという。
「自動車絶望工場」の著書があるルポライターの鎌田慧氏は、自動車工場の派遣社員について、「私がルポを書いた1970年代より劣悪。季節工には家賃や光熱水費が無料の寮が用意されるが、派遣は有料。食うのが精いっぱいで、収入が減れば家賃も払えず、追い出される。下流社会にも“格差”が生じている」と言っている。
事件前までに5カ所も渡り歩いた“派遣人生”が、加藤を殺人鬼に変えていったのか……。