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日本では、たばこと石綿アスベストによる呼吸器疾患対策を混乱させている中心人物が呼吸器専門家だという驚くべき事実があります。我が国で公害対策が遅々として進まないのは、核心が病院利権問題であり、十分な対策が講じられると呼吸器患者が減り病院収益を直撃するからではないでしょうか。
日本における石綿アスベスト災禍拡大の経緯
1972年、世界保健機関WHOの下部組織である国際がん研究機関が石綿の発がん性を指摘。
1972年、ILOの専門家会議で石綿の職業がん発生を指摘
1974年、米国産業衛生専門家会議が石綿の職業がん発生を指摘
1983年、アイスランドは使用禁止。
1986年、国際労働機関が青石綿の原則禁止条約を採択。
1989年、世界保険機関が青石綿と茶石綿の使用禁止。
1992年、日本石綿協会が来年6月から茶石綿を自主的に中止。
1993年、欧州共同体、7月、青石綿と茶石綿の使用禁止。ドイツが石綿原則禁止。
1995年、日本政府が茶石綿の使用禁止。
1995年、フランスが石綿の原則使用禁止。
1995年、イギリスが石綿の原則使用禁止。
1998年、日本産業衛生学会 許容濃度委員会の帝京大学 矢野栄二が石綿の全面使用禁止に反対する。
2000年、EUは化学物質日用品を禁止。
2000年、石綿(アスベスト)の使用禁止に反対していた日本産業衛生学会許容濃度委員会の矢野栄二は石綿(アスベスト)許容濃度を発表。矢野栄二は石綿(アスベスト)作業従事者1000人に1人が肺がんもしくは中皮腫になる数を産業衛生学会の勧告値(許容濃度)として発表した。日本で矢野栄二が計算した許容濃度は当時の技術では測定できず、決めても無意味であった。また、矢野栄二による勧告値は、仮にこれを遵守して作業を行っても石綿(アスベスト)作業従事者1000人に1人が肺がんもしくは中皮腫を発症するというとんでもない勧告値であった。
http://park3.wakwak.com/~banjan/main/taisaku/html/taisaku28yano.htm
2005年4月、矢野栄二教授が厚生労働省に胸部X線検診中止を要求する。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0404-4.html
http://blog.goo.ne.jp/chestxp/e/f6f166f707bb6faa3634cf0c6d6bf5eb
2005年6月、(株)クボタがアスベスト(石綿)による健康被害の状況を公表
2005年、日本経済新聞8月2日朝刊の「アスベスト禍(下)不作為のとがめ」(堅田哲、福田芳久、青木慎一の各記者が担当)という記事で、帝京大学 矢野栄二は「石綿の発がん危険性はたばこに比べ、はるかに低い」と発表。
2005年、中皮腫患者 推定3万人と発表(環境省 2005/10/6)
【関連情報】
アスベスト渦中に矢野栄二教授が胸部X線検診中止を要求
http://blog.goo.ne.jp/chestxp
アスベスト渦中に肺がん検診中止の怪
http://blog.goo.ne.jp/chestxp/e/f6f166f707bb6faa3634cf0c6d6bf5eb
加藤達郎
平成17年6月下旬に(株)クボタがアスベスト(石綿)による健康被害の状況を公表したことをきっかけに、他企業からも続々と被害が明らかにされた。労働者のみならず工場の近隣住民や労働者の家族にも中皮腫の発生があるとの情報から、国民全体がアスベスト(石綿)による健康不安にとらわれる状況となった。しかし奇妙なことに厚生労働省の「胸部エックス線検査等のあり方検討会」において、矢野栄二教授(帝京大学)から胸部エックス線検査の中止要求が出された。アスベスト災禍の発覚と同時に、胸部エックス線検査の中止を要求した矢野栄二教授の行動は、タイミング的にアスベストの害を隠そうとしているように見える。そもそも矢野栄二教授はこの事態を予見していたのではないか? なぜなら、矢野栄二教授は日本産業衛生学会許容濃度委員会でアスベスト問題を担当しており、アスベストの発がん性を御存知だったからである。
アスベスト災禍の渦中、アスベストの専門委員である矢野栄二教授が中止を要求している胸部エックス線検査は、アスベスト被害者の発見に不可欠な検査である。
>アスベスト被害、実態把握へ「健康リスク調査」
>環境省は、アスベスト(石綿)による健康被害の実態を把握するため、住民を対象にした「健康リスク調査」を始める。受診者には、問診や胸部X線検査を行い、医学的に経過観察が必要な場合は定期検査を続け、救済制度見直しに必要なデータにも役立てる。(2006年7月25日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4300/news/20060725it14.htm
>アスベスト健康被害、国相手に提訴…住民や元従業員
>昨年夏に始まった我が国のアスベスト災禍では、職業的アスベスト曝露の無かった周辺住民にまで被害が広がっており、健康診断を受けた石綿紡績工場14か所の650人のうち、レントゲン検査で80人が石綿肺と診断された。(2006年5月26日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4300/news/20060526it03.htm
昨今のアスベスト災禍による中皮腫や肺がん被害が全国に広がる中、胸部エックス線検査の重要性は益々増加しており、許容濃度委員会のアスベスト担当である矢野栄二教授が胸部エックス線検査の廃止を要求したことには大きな疑念を抱かざるを得ない。そもそも、本検討会では従業員のために健診精度向上につながる議論が行われるべきだが、矢野栄二教授は一貫して胸部X線検査の廃止を要求しており、アスベストによる中皮腫や肺がんの発見を妨げようとしている。そもそも矢野栄二教授は委員として1990年代からアスベストの発がん性を認識していたはずであり十数年前に警告を発してもよかったのだ。ちなみに世界保健機関(WHO)がアスベストの発がん性を発表したのは1980年である。帝京大学の薬害エイズ事件と同じ轍を踏んでいるようだ。
薬害エイズ事件のあらまし
http://www.habatakifukushi.jp/yakugai.html
議事録を読むと、矢野栄二教授はアスベストによる健康被害の状況把握には全く関心が無いようだ。国の検討会で日経連の加藤隆康氏はアンケート調査に基づいて「胸部エックス線の存廃については、昨今のアスベスト等による健康被害の状況も踏まえて、もう少し広く総合的に検討することが必要ではないか」と述べたが、矢野栄二教授は「いま60人ほどの人の意見がこうであったと言っても、60人の構成によって全く違ったことが起こると思う」と述べ、矢野栄二教授はアスベスト災禍の状況把握の必要性を無視した。まるでアスベスト被害の全体像を隠そうとしているようだ。
第5回労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会議事録
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/txt/s1226-2.txt
矢野栄二教授は、この他、「現行の胸部エックス線検査には直接撮影と間接撮影とがあり、直接撮影に比べて間接撮影が劣る」という理由で廃止を求めている。しかし、そうであれば直接撮影の勧奨や医師2人によるダブルチェックの導入などにより現行の検診精度の向上を図る事が可能であろう。
また、矢野栄二教授は「医療被曝による発がん」を問題にしている。もちろん、医療被爆によるリスクは考慮すべきである。「低線量でも発がんリスクは増加する、少ないから無視していいことにはならない」というのは一理ある。しかし、そもそも被爆のリスクを評価できるのは100mSvが限界であり、これ以下については現在の技術では評価できない。矢野栄二教授が引用した報告は100mSvのレベルでの議論であり、胸部エックス線検査はその100分の1以下のレベルであり、これを今回の議論にそのまま適用することは妥当ではない。矢野栄二教授が提出したデータは原子力発電所の作業者等の被ばくの健康影響に基づく疫学解析の結果であり、一般住民や従業員には当てはまらない。胸部エックス線検査による被爆の数十倍から数百倍も被爆する可能性がある原子力発電所や核燃料処理施設での労働や環境汚染を黙認しつつ、胸部エックス線検査によるリスクをいたずらに強調するのは道理に合わない。矢野栄二教授は胸部X線検診によるリスクを強調するが核燃料処理施設などから環境中に放出されるプルトニウムやイラク戦争などで使われている劣化ウラン弾については全くコメントしていない。胸部エックス線による被爆は時間的にもせいぜい数ミリ秒だがプルトニウムの半減期は2万4千年、ウランは数億年であり微量でも絶対に無視できない。矢野栄二教授は胸部エックス線検査による被爆を強調することにより、新たな脅威となりつつある環境中プルトニウムや劣化ウランによる被爆問題を隠そうとしているようにも見える。医療被曝の発がん性を過大に強調する手法は劣化ウラン弾を製造する軍需産業や原子力産業の御用学者が使う常套手段である。プルトニウムや劣化ウランのリスクを過小評価する論文は、良心が無ければ書ける。
また、矢野栄二教授は胸部エックス線検診の有用性を発表した全国労働衛生団体連合会について「日本たばこ産業の喫煙率のデータと同じく信用できない」と述べておられるが、矢野栄二教授こそタバコ会社の研究員である。矢野栄二教授はタバコ会社の世界進出を促すため、タバコ会社に受動喫煙の害を隠す論文を発表するよう提案し、多額の研究費をもらっていた。矢野栄二教授はタバコ会社との共同研究により受動喫煙の発がん性を発見していたが発表せずに隠していた。矢野栄二教授が関与した受動喫煙の害を隠す論文はLeePNの名前で発表され、タバコ会社の言論統制に利用され、受動喫煙の害を発表した研究者は攻撃された。彼らの受動喫煙の害を隠す捏造論文により、世界中でタバコ対策が妨害され、喫煙者が増え、今ではタバコ対策は手遅れとなっている。タバコ会社と研究者が癒着して地球を破滅へと導いているのだ。
>医学者は公害事件で何をしてきたのか
http://iwanami.co.jp/.BOOKS/02/8/0221410.html
>喫煙で今世紀10億人死亡も 国際対がん連合まとめ
【ワシントン11日共同】喫煙を減らす強力な対策が導入されなければ、21世紀のたばこによる死者数は世界で約10億人に上り、20世紀の10倍に膨らむ恐れがあるとの推計を国際対がん連合などがまとめ、ワシントンで開催中の同連合の会議で10日発表した。(2006年07月11日 東京新聞)
皆さんにも良く考えていただきたい。誠実な研究者が受動喫煙の研究のためにタバコ会社に研究費を要求するであろうか? 誠実な研究者が受動喫煙の発がん性を発見した場合、発表せずに隠しておくであろうか? これは決してありえないことだ。今回の検討会で矢野栄二教授は「外国では多額の国家予算を使って検診の有効性を検討しており我が国も研究すべきだ」と、国に多額の研究費を要求した。矢野栄二教授の主張のとおり検診に有効性がないのであれば研究費を要求する必要性はないはずだ。矢野栄二教授は検診精度の向上や医療被爆の低減につながる有益な提案は一切行わず、国に多額の研究費を要求して発表を終えた。検討会の冒頭で労働衛生課長は「昨今、アスベスト問題が社会問題化しておりますので、健康診断の胸部エックス線を廃止、縮小することは不適切ではないか」と問うていたが、矢野栄二教授の回答は無かった。さまざまな理由をつけて血税から研究費を吸い取ろうとうごめく蛭や寄生虫のような研究者にはなりたくない。
国は毅然として国民のための政策を行っていただきたい。