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新学期を迎えて 友人づくりは焦らずに(中日新聞)
【夜回り先生のエッセー】2008年4月7日
子どもたち、ついに新学期が始まりましたね。中学や高校に進学した子どもたちは、新しい学校で新たな3年間を迎えることになりますね。進級した子どもたちも、新しいクラスで新しいメンバーで1年をはじめることになります。ほとんどの子どもたちは、たくさんの期待でこころがいっぱいだと思います。新しい先生たちとの出会い、新しい友だちとの出会い…。中には、ちょっと不安を抱えている人もいるかもしれません。
私は、教員時代、新学期がとっても好きでした。どんな子どもたちとの出会いがあるのか、またどんな新しい先生がたとの出会いがあるのか。いつも、1年の中で最もこころがはずむ時でした。
子どもたち、特に昨年度いじめに苦しんだり、学校に通えなくてつらかった子どもたちにとっては、新学期は、希望の時だと思います。新しい仲間や先生と新しい学校生活を、楽しい幸せな学校生活をはじめることができるのではないか。そう夢を持っている子どもたちも多いと思います。私のかかわっている数多くの、いじめや不登校に苦しむ子どもたちも、この新学期を待っていました。やり直しの復活のきっかけとしようと。
新学期を迎える子どもたちに、私から忠告があります。春は、こころがとても活発になる季節です。また、新しい出会いは、何か人のこころをはずませます。そして、どうしても活発に動いてしまいます。この理由は、わかります。長い寒い冬の間、家や部屋に閉じこもっていることが多かったのですから、春になれば飛び回りたくなる。無理ありません。
特に、いじめや不登校の経験のある子どもたちほど、新しい環境で活発に動きたくなります。新しい部活に入り、クラスでは委員を引き受け、できるだけ多くの友だちをそれもできるだけ早くつくろうとする。そして、焦りすぎ自らつぶれていってしまう。私は、高校の教員時代、このような子どもたちを多く見てきました。
子どもたち、寒さでかじかんだからだを急に動かしたらどうなりますか。からだがぼろぼろになってしまいます。きちんとゆっくりからだを慣らさなくてはなりません。新学期の君たちも同じです。特にいじめや不登校で苦しんだ子どもたち、無理はしないこと。まずは、日々学校に通いながら、先生やクラスの仲間たちの話をゆっくり聞いてごらん。時にうなずき、時に哀(かな)しい顔で。ただし、毎日だれかに優しさを配りながら。クラスや人のために何かをしながら。そして、待ってごらん。必ず、君の周りに本当の優しさを持ったこころの友人が集まります。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2008040702001726.html