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「「ニート」って言うな!」本田・内藤・後藤/光文社新書‘06年から引用
[「ニート」よりもはるかに増えているのは「求職型(失業者)」とフリーター]本田由紀
・「ニート」と呼ばれる若者は、世間でイメージされているほど増えてはいないのです。やや増えてはいますが、若年失業者やフリーターの増加の仕方に比べれば、「ニート」の増え方はるかに穏やかなものなのです。つまり、「ニート」のような若者は、ずっと前から日本社会の中を連綿と一定の人口規模で存在していました。…それはいわば、社会のあり方として自然な状態だったといえます。p22
・「ニート」と括られる若者のなかで、「非希望型」は増えていない。「非求職型」は、10年間で1.65倍とやや増えている。
しかし、この程度の増え方に対して、比較にならないほど飛躍的に増加している存在が別にある。それは「ニート」に含まれない若年失業者とフリーターである。
ですから、社会政策的には、これほど急激に増えて膨大な規模に達している若年失業者および「フリーター」の方に重点が置かれて当然だと思うのですが、なぜか2004年あたりから、「ニート」がものすごく強調され始めたのです。P26-30
【「ニート」・若年失業者・「フリーター」の10年間の推移】
【「ニート」】
1992年 2002年 増加数 増加倍率
非希望型 41万人 42万人 1万人 1.02
非求職型 26 43 17 1.65
合 計 67 85 18 1.27
【「ニート」以外】
求職型(失業者) 64 129 65 2.02
フリーター 101 213 112 2.11
・(ニートに分類される)「非求職型」の人たちの求職行動を妨げている要因の多くは、彼ら自身の意識や意欲というよりも、彼らを取り巻く環境条件の中にあるといえます。「非求職型」の多くは、本来は仕事の世界への親和性。近接性がかなり強いにもかかわらず、さまざまな周囲の状況のいわば犠牲となって、現時点では求職行動をとるにいたっていない人たちである、と考えられます。P36
[「ひきももり」と重ねて語られる「ニート」]
・「ニート」は多様で、しかも大半はごくごく「普通の、まっとうな」若者たちであり、ただ現在は様々な事情や理由から働いていない、というだけなのです。(それが)「ニート」という言葉は、いつの間にか、「不登校」や「ひきこもり」にかなり近いイメージで、非常にネガティヴなものに語られることが増えてきていると思います。そのようなイメージの萌芽は、「ニート」という言葉が脚光を浴びた当初から、議論の中に埋め込まれていました。P38
・もともとイギリスで生まれた「NEET」という概念は、16〜18歳の若い層に限定され、「社会的排除」の問題と緊密に結びつけられていました。イギリスでは、貧困や低学歴、あるいは人種的マイノリティであることなど、様々な困難が集中しているきわめて不利な立場にある人たちをいかにして救うか、という議論の中で「NEET」の定義が出てきたのです。P40
[「ニート」騒ぎの陰で見えなくなる「労働需要側」の問題]
・「ニート」という言葉が日本に導入された段階で、定義的に失業者が除外されたことがきわめて問題なのです。求職行動をとっている人が、なぜか日本版「ニート」の中には含まれていないがゆえに、その定義から必然的に、「働く意欲がない人」というような日本独自の「ニート」のイメージが普及してしまったのです。もし「ニート」に当初から失業者が含まれていれば、現在はびこっているような「ニート」論は成立しなかったはずです。P52
[誰が支援を必要としているのか]
・「非求職型」の「ニート」と「フリーター」、失業者(「求職型」)が入ってくる部分、この人たちの直面している困難は、まさに就労機会の問題です。この人たちの中には、できれば安定した形で働きたいという志向を持っているにもかかわらず、それを実現できていない人たちが多いからです。彼らを、仮の呼び名として、「不安定層」と呼んでおきます。
「ニート」のコアの部分に、仕事という面ではもっとも意欲を欠いた不活発な層がある。この中に、「ひきこもり」や「犯罪親和層」も含まれる。この層を仮に「不活発層」と呼ぶことにします。
「ニート」という言葉を使ってしまうと、この「不安定層」と「不活発層」はごっちゃにされてしまいます。でも、この両者がそれぞれ抱える困難は別種のものである、ということを私は主張します。P61-2
[「不安定層」が増大した要因]
・現在の若者の中で、量的に「不活発層」よりもはるかに大きな規模を占めているのは、「不安定層」です。「不安定層」とは、本人に就労意欲があるにもかかわらず、安定的な就労機会を得ることができていない若者たちであり、具体的には若年失業者、「フリーター」および就労意欲のある無業者(「非求職型」)から構成されます。P67
・若年就労問題は、労働市場の設計という位相で議論されるべき問題です。「ニート」という適切でない概念を持ち出して、若者自身や家庭に責任を押し付けてすむ問題ではないのです。P112
・精神のバランスが崩れる以前に、育児放棄などで身体障害者になってしまった人ばかりやで。
http://www.asyura2.com/08/idletalk30/msg/664.html
投稿者 偽の友をあばけ 日時 2008 年 3 月 30 日 18:59:29: XxD1rrfsbD1ZU