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http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2007111902065567.html
2007年11月19日
今、日本の多くの子どもたちが、「生きる力」を失っています。うつろな目で夜の町をさまよう子どもたち、暗い部屋で哀(かな)しい目でメールを打ち続ける子どもたち、明日を見失い自らを傷つける子どもたち…。私の元には、彼らからたくさんの相談が来ます。子どもたち、君たちはどうですか。
そうだ、子どもたち、まず試してみましょう。すぐに外に出て、何か美しいものを自然の中に探してごらんなさい。月でも星でも、花でも木々でもいいんです。そして見つけたら、「〇〇さん、きれいだよ。ありがとう」と大きな声で叫んでごらんなさい。そして、すぐに家に戻り、お母さんにでもお父さんにでもいいです。何かひどいことをされたことや、哀しかったことを思い出して、「あの時の〇〇はひどいよ。怒ってる」と大きな声で怒鳴ってごらんなさい。
どうですか、できましたか。これができた子は、安心です。十分に「生きる力」があります。そんなこと、ばからしくてできないという子も大丈夫です。ばからしいと思うこと自体が、きちんとした「生きる力」です。ちょっと哀しいですが、もしも、「どうしよう」と悩んでしまったら、あるいは、そんなことできないとしゃがみ込んでしまったら、それは、「生きる力」をだいぶ失っています。
子どもたち、「生きる力」というのは、自分の中にある哀しみやつらさ、怒りや喜びをその都度、きちんと出すことで、ついていきます。ただし、感情的に暴れたり、叫んだり、取り乱したりではなく、きちんとことばで伝えることが大切です。君たちは、できていますか。哀しみやつらさ、怒りは、自分のこころの中に抱え込んでしまうと、大きなストレスになってしまいます。そして、君たちから「生きる力」を奪っていきます。
子どもたち、君たちの中には、こころの中の想(おも)いを正直に出したら、友だちにきっと嫌われる、両親からも嫌がられると考えて、すべてを自分の中に抱え込んでしまう人も多いと思います。君たちのこころは、風船のようなものです。風船に空気をいっぱいためすぎたらどうなりますか。パンクしてしまいます。そして、今日本中で多くの子どもたちが、想いをこころにためこみすぎて、苦しんでいます。
子どもたち、想いを出しましょう。最初は親や先生、友だちに対して直接出さなくてもいいです。空や雲、月や星、花や木々にでいいんです。小さな声ででもいいんです。哀しいときは、哀しみを、うれしいときは喜びを、きちんとことばにし話してみませんか。最後には、君の周りの多くの人に。これが、君たちの明日を生きる力になります。