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http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yomawari/list/CK2007110502062039.html
2007年11月5日
先日、私の元に一通のメールが届きました。「夜回り先生、先生の本を読みました。泣きました。先生、ごめんなさい。この本は、万引したものです。自分を責めています。苦しいです」。哀(かな)しいメールでした。私はすぐに、「水谷です。本屋さんに謝りに行きなさい。水谷から言われたといって。そして、そこから私に電話をしなさい。私が、そのお金は払います。まずは謝ろう」。そうメールを打ちました。返事はありませんでした。
今日、彼女からの電話がありました。彼女は、私からのメールを見て悩んだそうです。彼女は、愛知県の有名な私立の進学校の生徒でした。もし、本屋さんに謝りに行って、そして警察に訴えられたら、退学になる。もし親を呼ばれたら、厳しい親なので捨てられる。友だちに知られたら、恥ずかしくてもう生きていけない。悪いことばかりが頭に浮かび、そしてどうして良いかわからなくなったそうです。そのたびに、私の本を何度も読み返したそうです。
「先生、本の中に書いてある先生が亡くした子どもたちが、私を責めるんです。目をつぶると、責めるんです。逃げちゃだめって…。逃げたら、一生この罪を背負わなきゃならないって…。私、今日学校帰りにお金と本をもって、本屋さんに行きました。そして、店員の人にすべて話しました。そしたら、店員さん、私のことしからずに、『ありがとう。よく来てくれたね。うれしいよ』って言って、お金を払わせてくれました。『これで、もう万引ではないよ。君の本だよ。そうだ、君にこの本をプレゼントしよう』。そう言って、先生の別な本をくれました。私、泣きました。うれしくっていっぱい泣きました。先生、行ってよかった。ありがとう、先生」。うれしかったです。
子どもたち、人間は、とくに君たち子どもは、不完全な存在です。だから失敗をする。過ちも犯します。水谷も今まで、たくさんの失敗や過ちを犯しました。そして、今、多くの子どもたちが、自分の失敗や過ちを、だれに相談することもできず、抱え込み、苦しんでいます。君は、どうですか。子どもたち、過去は変えることができません。してしまったことは、もうどうしようもありません。だからこそ、今それを解決しておきませんか。失敗や過ちは、きちんと謝り、償わないと、君たちのこころに一生傷を残します。罪という傷を。そして君たちの明日を汚します。子どもたち、明日を過去で汚さないように。今、失敗は、謝ろう。過ちは、償おう。「ごめんなさい」の一言を言う勇気を持とう。もし、それで責められたら、とがめられたら、私に連絡をしてください。私が一緒に謝ります。私が一緒に償います。