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ヤマト運輸、勤務時間改ざんか…大阪南労基署が勧告(読売新聞)
宅配便最大手「ヤマト運輸」(本社・東京都中央区)が、関西にある集配拠点の一部で宅配ドライバーらにサービス残業(賃金未払い残業)をさせていたとして、大阪南労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことがわかった。同社は、ドライバーにコンピューター端末を携帯させ、出勤・退勤時刻を記録、管理しているが、給与計算の基となる勤怠記録が実際の端末記録と異なり、労働時間が短くなっていたケースが判明。記録改ざんの疑いもあり、同労基署は同社関西支社(大阪市住之江区)に対し、10月末までに改善報告書を提出するよう命じた。
同社によると、コンピューター端末は「ポータブルポス(PP)」と呼ばれ、商品の配達状況などを管理するため全社で導入。労使協定で、労働時間もPPで管理すると定めている。
ドライバーが集配センターなどに出勤し、宅配トラック1台につき1台貸与されるPPの電源を入れて起動させた時刻が「出勤」、電源を切って終了させた時刻が「退勤」として記録される。同社従業員らによると、複数の支店、集配センターを管轄する主管支店で記録を管理し、ドライバーの月々の労働時間を集計している。
関係者によると、同労基署は今年7月、大阪市内の集配センターなど2か所を立ち入り調査。ドライバーらが▽PP起動前に配達する荷物の積み込み作業などを行っていた▽PP終了後にも伝票整理や後片付けなどに従事していた――などを確認した。
また、大阪市内のセンターなどを管轄する大阪主管支店(住之江区)が、PPの記録を基に給与計算用の勤怠記録として管理していた、この2か所の一部ドライバーの「出勤」「退勤」時刻が、PPの記録より、出勤時刻が遅く、退勤時刻が早く記録されていることが、わかった。
給与計算用の勤怠記録は、主管支店がセンター長らにPPの記録を確認するなどしてコンピューター入力しているという。この過程で労働時間が短くなるよう改ざんされた疑いがある。
同労基署は立ち入り調査した2か所について、PPの記録による労働時間と給与計算用の勤怠記録による労働時間の差と、PP起動前と終了後の作業時間が給与計算上、労働時間に加算されていないのは、労働基準法違反と認定。近畿2府4県の9主管支店を統括する関西支社の支社長に対し、大阪主管支店管内の従業員に過去2年間の未払い賃金を支払い、改善報告書を同労基署に提出するよう是正勧告した。
また、他の集配拠点でもサービス残業が行われている恐れがあるとして、勧告とは別に、関西支社管内の全従業員約2万2000人の過去2年間の労働実態を調査し、サービス残業が判明すれば未払い賃金を支払うよう是正指導した。
■「意図的ではない」
ヤマト運輸広報課の話「立ち入り調査を受けた2か所の未払い賃金について社内調査しているが、原因は、従業員がタイムスケジュール通りに業務を行わなかったためで、意図的にサービス残業を行わせたわけではない。2か所以外のセンターでは問題はないと考えている。主管支店の勤怠記録とPPの記録に差異があったかどうかは、労使協議にかかわることなので詳しくお答えする必要はない」
■ヤマト運輸■ 1919年創業。2005年11月に持ち株会社ヤマトホールディングス(東証1部上場)が発足し、現在はその100%出資子会社。全国に10の支社、69の主管支店、6087の集配センターなどがある。従業員約13万4000人。07年3月期の売上高(単体)は9689億8200万円。
(2007年9月23日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070923p101.htm