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人身売買の悲劇知ってほしい ラオスの現状紙芝居に日本ユニセフ協会 神奈川県支部(東京新聞)2007年9月16日
「人身売買の実態を知ってほしい」−。日本ユニセフ協会神奈川県支部(横浜市港北区新横浜)は、ラオスで多くの子どもたちが被害に遭っている人身売買について、県内の子どもたちに広く知ってもらおうと、オリジナルの紙芝居を作った。 (小川慎一)
同支部は二〇〇六年から五年間、「人身売買からラオスの子どもたちを守る」キャンペーン活動をしている。事務局次長の谷杉佐奈美さん(46)とボランティア二人が中心になり、ラオスへの視察や被害者の体験談を読みこんで、今年三月から紙芝居づくりに取りかかり、八月に完成させた。
タイトルは「サワンの約束」。物語はメコン川を挟んでタイとの国境沿いにある地方都市サワンナケートに住むタオとクーニャという姉妹が主人公だ。幸せに暮らしていた家族が、父親が不発弾で片腕と片足を失って稼ぎ手がなくなり、姉妹が親せきのおばさんにだまされて、タイに売られてしまい、虐待や売春の被害に遭ってしまう。
谷杉さんらは当初、姉妹がお釈迦(しゃか)様に助けられるというハッピーエンドの物語を考えていた。だが被害少女たちが助けられることはほとんどなく、売春させられたり、エイズにかかってしまっている現実に目を背けてはいけないと、物語の結末を変えた。
谷杉さんは「紙芝居を見終わった人たちに『この後、姉妹はどうなったんだろう』と考えてもらえるように結末を工夫した。日本にも性風俗店などに人身売買の被害者がたくさんいる。人身売買は遠い国のことではないということを知り、子どもや女性を守る活動へのきっかけになってくれれば」と話している。
同支部では、紙芝居を読むボランティアを募集しているほか、ラオスでのユニセフの活動を支援する募金への協力も求めている。
問い合わせは、日本ユニセフ協会神奈川県支部=(電)045(473)1144=へ。
<メモ> ラオスの人身売買 ラオスは中国、ミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジアと国境を接する内陸国。経済的には農業に依存しているが、隣国の市場経済化が進むなかで、安い労働力として子どもたちが人身売買の標的になっている。タイとの国境付近には人身売買のブローカーが多くいる。ユニセフとラオス政府の調査によると、12歳から18歳の少女の人身売買が6割を占め、そのうち約4割は売春をさせられている。工場や漁船労働などの重労働をさせられ、深刻な虐待を受けるケースも多いという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20070916/CK2007091602049230.html