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コンビニの生産性低下を促す勤務時間15分のアルバイト採用【KlugView】
2007/08/27(月)20:01
コンビニ大手のセブン−イレブン・ジャパンは、今年の秋に全店舗(約1万1700店)でアルバイトの臨時雇用制度を導入する見込みです。報道によると、同社店舗で働いた経験がある人を店舗ごとに登録し、臨時に人手が必要なときに、店舗から登録者に連絡して勤務を要請します。勤務時間は最低15分から受け付け、給料は仕事の後に支払うことになっています。
最近では、コンビニのアルバイト確保が非常に難しいといわれています。首都圏のオフィス街など学生の確保が難しい立地では、発注業務ができるアルバイトの時給は1500円程度まで上昇していますが、それでも十分な人数を確保できない状況です。このためコンビニでは、店舗の経営者が代わりに働いたり、通常の2倍の賃金を払って、派遣会社から要員を派遣してもらって対応しているようです。中には、それでも人員を確保できず、欠員のまま店舗を運営するケースもあるようです。
コンビニのアルバイト確保が難しいのは、ある程度自然のことのように思えます。少子化で若年層人口が増えていない中、景気拡大が続いていることもあって、企業はアルバイトの正社員化を進めており、いわゆるフリーター層も減っています。多少時給を高くしたくらいでは、アルバイトの確保難を打開できるとは思えません。
セブン−イレブン・ジャパンの試みは、アルバイトの確保が難しいという逆風を跳ね返す、人手不足を解消する方法とも思えます。たしかに細切れの時間をアルバイトとして活用できるのであれば、アルバイトをする側からみても魅力的な制度のように思えます。
ただ、個人的には、仮にこの制度でアルバイトを確保できたとしても、コンビニ経営にとってプラスになる気がしません。
コンビニが利益を拡大できた理由の1つは、労働生産性の上昇といわれています。コンビニの労働生産性の上昇は、コンビニチェーンが作成したマニュアルや物流網の構築、魅力的な製品の提供が効果的だったとされています。しかし、今となっては、マニュアルや物流網の構築などは、コンビニチェーン間で大差がなくなっています。
こうした中、コンビニが労働生産性の上昇を続けるとすれば、実際に働く方々による業務の効率化がポイントのような気がします。コンビニ既存店の売上高が13ヶ月連続で前の年を下回る状況であれば、業務の効率化を通じた労働生産性の上昇で利益を確保することが求められます。
ただ、労働者が業務に必要な知識やコツを覚え、業務遂行にとって効率的な動きをするには、ある程度の経験が必要です。業務を通じて得られる経験は、ある程度時間が長い方が効果的と思われ、1時間未満の業務では、知識やコツを身につけるに必要な経験が得られるとは思えません。当然ですが、知識やコツを身につけない店員さんが増えれば、業務の効率は落ち、利益は増加するどころか減少することになります。
あくまで個人的な推測でしかありませんが、15分刻みの短時間アルバイトを受け入れるコンビニにおいて、店員さんがテキパキと働いている姿を期待するのは、やや無理があるように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
アルバイトの臨時雇用制度として、
勤務時間は最低15分から受け付け、
給料は仕事の後に支払う制度の導入が見込まれている企業は?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
セブン−イレブン・ジャパン
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/08/27/post_205.php
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