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映画祭で平和の尊さ訴え NY、原爆や戦争テーマに【中日スポーツ】
2007年8月11日 11時22分
【ニューヨーク10日共同】広島、長崎への原爆投下や戦争をテーマにした映画を上映、音楽や舞踊なども交えて平和の尊さを訴える「ニューヨーク平和映画祭」が10日夜、3日間の日程でニューヨーク市内で始まった。
初日の10日は上映に先立ち、「にんげんをかえせ」の詩句で知られる原爆詩人の故峠三吉や、故栗原貞子の詩を英訳し、寸劇に織り交ぜた舞台などが50人近い観客の前で披露された。
会期中、ドキュメンタリー映画「ヒロシマナガサキ」を監督した日系3世スティーブン・オカザキ氏の2005年の作品で、アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「ザ・マッシュルーム・クラブ」や、第2次大戦中に米政府に抵抗した日系人画家を描いた「ミリキタニの猫」、広島と長崎で2度被爆した人々の足跡をたどった「二重被爆」などが上映される。
http://www.chunichi.co.jp/s/chuspo/article/2007081101000181.html
大弦小弦 (2007年8月9日 朝刊 1面)【沖縄タイムス】
目を背けたくなる衝動をこらえながら、スクリーンを直視する。映画「ヒロシマナガサキ」は核兵器の悲惨さを映し出す。
顔半分が焼けただれ、治療を受ける男性の姿。周囲を埋め尽くす犠牲者の体を「黒こげの魚のようでした」と話す人。六十二年の時が流れても亡くなった妹の名前さえも口にできない女性がいる。怖いという表現を越え、人間が犯した愚かさがある。
日系三世の監督が歳月をかけて製作したドキュメンタリー。被爆後の両地の未公開映像、被爆者とエノラゲイの乗員の証言でつづる。特別なナレーションや解説はない。原爆投下の是非論もないが、体験者の生の声が「答え」を導き出す。
生き抜いてきた人たちにとって、被爆後の人生がむしろ深刻だった。あらぬうわさが広がり、差別が始まった。就職も結婚も許されぬ人。「死んだ人はいい。生きてこの苦しみを味わわなくて済むから」。「人間らしく生きることも、死ぬことも許されなかった」。
体験を「原爆詩集」にまとめた詩人の峠三吉は、あとがきにこう記した。「文学活動によって生活の機会を殆ど無くされている事は勿論、有形無形の圧迫を絶えず加えられており…」。後世に対する警告である。
こうした事実に世界はあまりに鈍感だ。核不拡散条約は有名無実化している。彼ら彼女らの声に耳を傾けなければ、「第三の被爆地」の恐怖は消えない。ナガサキはあれから六十二回目の夏。(石川達也)
http://www.okinawatimes.co.jp/col/20070809m.html