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成長と格差縮小の両立を 経済財政白書、所得再分配呼びかけ【中日新聞】
2007年8月7日 夕刊
大田弘子経済財政担当相は七日の閣議に、二〇〇七年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。白書は、戦後最長を更新している景気拡大をさらに持続するためには「企業部門から家計部門への波及が再加速することが期待される」と強調。成長と格差の関係については「近年、先進国においては(成長に伴い)格差が拡大する傾向がある」と指摘し、経済成長と格差縮小の両立が課題との見方を紹介した。
白書は、広がる所得格差を放置すれば国民生活の水準が総じて低下すると警告。格差拡大に歯止めをかけるため、税金と社会保障を組み合わせた所得再分配が必要との認識を示し、低所得者層への配慮を呼びかけた。
景気の現状については、〇六年後半から家計部門で力強さを欠いている点を指摘。賃金は(1)非正規社員割合の増加(2)団塊世代の退職(3)地方公務員の賃金引き下げ−などの要因が複合的に重なり伸び悩みにつながっていると分析した。
特に、非正規社員については教育、訓練が進まず、勤続年数が長くなるほど正規社員との賃金差が拡大すると指摘し、雇用者の約三人に一人が非正規社員という現状も取り上げた。
同時に、白書は少子高齢化が進展し、労働力人口が減少する中で日本経済が成長を続けていくために「労働生産性の向上」が欠かせないとした。ただ「企業の人員削減などによる生産性向上は、経済全体では失業増加を招き社会の活力を損なう可能性がある」と指摘し、リストラによる安易な企業経営に警鐘を鳴らした。
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2007080702039323.html