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福島公共工事 前知事側に1億3500万円 受注狙い提供【東京新聞】
2007年6月23日 朝刊
前福島県知事佐藤栄佐久被告(67)らの汚職事件で、起訴事実とは別にゼネコン三社が一九九二年から二〇〇四年にかけ、前知事の実弟で縫製会社元社長祐二被告(64)に計一億三千五百万円を渡していたことが、東京地検特捜部の調べで分かった。うち一億円は、栄佐久被告の事実上の選対幹部だった祐二被告が、三回の知事選に使ったとされる。九三年のゼネコン汚職以後もゼネコン業界の裏金体質が根強く残っていたことが浮き彫りになった。
二十一日に開かれた両被告の初公判で、検察側が冒頭陳述の中で明らかにした。三社は贈賄側とされながら、時効が成立していた準大手ゼネコン「前田建設工業」(東京都千代田区)など二社とは別だった。
冒陳によると九二年ごろ、港区に本社がある大手ゼネコンの当時の副社長と東北支店長は、福島県発注の公共工事の入札指名業者に入れてもらおうと栄佐久被告に面会して陳情。同年二月と七月ごろ、祐二被告に計二千万円を渡した。祐二被告は二千万円を栄佐久被告が再選を果たした同年九月の知事選資金とした。
中央区の大手ゼネコン東北支店長は二〇〇〇年ごろ、祐二被告に「こまちダム」(福島県小野町)工事の受注を要望。祐二被告から談合仕切り役だった辻政雄・設備会社社長(60)=競売入札妨害罪で有罪確定=と当時の県土木部長(65)を紹介された。
その後、同年六月と八月ごろ、東北支店長は辻社長に五千万円を提供。それを祐二被告が受け取り、同年九月の知事選資金に充てた。
また、福島県合同庁舎とこまちダム工事の受注を希望していた大阪市の中堅ゼネコン東北支店長は、九九年ごろ二千万円▽〇一年ごろ千五百万円▽〇四年ごろ三千万円の計六千五百万円を辻社長に提供。それを祐二被告が受け取り、うち〇四年の三千万円を同年九月の知事選資金とした。
こまちダム本体工事の入札は〇三年八月に行われ、この中堅ゼネコンが筆頭の共同企業体(JV)が約二十三億六千万円で落札した。
港区の大手ゼネコン広報室は「古い話で関係者もおらず、事実確認ができない」、中央区の大手ゼネコン広報部は「公判中なのでコメントは差し控えたい」と回答した。
<メモ>前福島県知事汚職事件 前知事佐藤栄佐久被告らは2000年8月の木戸ダム建設工事の入札で、「前田建設工業」が落札できるように便宜を図った謝礼として、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)に、祐二被告が社長だった縫製会社の所有地を時価より高い約9億7000万円で買い上げてもらったとして起訴。差額約1億7000万円がわいろとされた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007062302026407.html