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【社説】警官の不祥事 信頼が根底からゆらぐ【東京新聞】2007年6月12日
官製談合への介入、捜査情報漏えいなど大阪府警、愛知県警で現職警察官の不祥事が相次ぐ。住民の警察への信頼は危うくなる。厳正な内部監察と捜査情報管理の強化を急ぐべきである。
内部捜査資料が事件関係者に漏れ捜査が失敗したとして、愛知県警の現職巡査長とOBの元巡査部長が、地方公務員法違反の疑いで同県警に逮捕された。同県警の捜査員による情報漏えいの前例はあるが、今回は巡査長自身が事件捜査の一人に加わっていた。事件はさらに広がる可能性もある。
一方、大阪府枚方市発注の清掃工場をめぐる官製談合で、大阪府警捜査二課の現職警部補が大阪地検に逮捕された。警察官の不祥事でも、談合にかかわって身柄を拘束されたのは前代未聞である。
この事件で、副市長なども逮捕されている。しかし警部補は、ゼネコンが参入しやすいようプラントと建物の分離発注を市に提案したほか、市幹部と受注ゼネコンを仲介するなど重要な役割を果たし、多額の謝礼を受け取った疑いも強い。前例のない悪質さである。
住民は、毎日の生活の安心・安全を守ってくれる担い手として、警察に素朴な信頼を寄せている。凶悪事件多発や犯人検挙率の低下で、警察への批判が高まることはあるが、それは同時に期待の裏返しでもある。
しかし、警察組織に属するメンバーが、自分自身で不正行為の中心となる役割を担ったり、事件の捜査に加わる地位を利用し、容疑者側に法の追及をかわす情報を提供したりしていては、住民の警察への信頼は根底から崩れる恐れがある。
愛知県警はとにかく、身内の手で情報漏れを摘発した。だが、大阪府警の警部補を逮捕したのは地検だ。府警内部では「優秀な刑事」で通る一方、悪い風評もつきまとい、投書が届いたこともある。監察官は何をしていたのか。
警察の監察制度は、厳正な内部調査と情実を排した処分がなければ、住民の信頼は得られない。強力な権力には強力な自浄装置が必要だ。
愛知の情報漏えいは不法就労摘発の関連だが、最近は宮崎、福井両県警のように、刑法の談合罪適用による警察の談合摘発も増えた。警官が談合自体に首を突っ込むほか、談合に関する捜査情報の流出にも、目を配る必要が出てくる。
警察は、捜査に影響を与えるような情報は一層管理を厳しくしなければならない。万一、流出しても、漏えいの経路を追跡できるようにするのは当然であろう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007061202023416.html