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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070610it01.htm?from=top
107人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、JR西日本がミスをした運転士に課す「日勤教育」が異常運転の心理的な要因になったと判断、教育内容の改善などを求める最終報告書を今月下旬にも公表する方針を固めた。
直接の事故原因は、直前の停車駅でオーバーランした運転士が、車掌と運転指令との無線交信に気を取られてブレーキ操作が遅れたためと断定。緊急性の低い無線交信の制限や、人的被害を軽減する車両の必要性なども報告書に盛り込まれる見通しだ。
事故調では、05年9月の中間報告で自動列車停止装置(ATS)の機能向上などを建議したのに続き、今回も鉄道事業者に対する建議を行う方針。同一事故での二度目の建議は異例。
これまでの調べによると、快速電車の高見隆二郎運転士(死亡)は、伊丹駅で約72メートルオーバーランし、車掌に「まけてくれへんか」と依頼。その後、ミスを報告する車掌と運転指令との無線交信の内容に気を取られてブレーキ操作が大幅に遅れ、事故現場の急カーブに制限速度を約46キロ上回る時速約116キロで進入して脱線した。
日勤教育は、乗務中にミスをした運転士を対象にした再教育制度。一定期間乗務から外して反省文やリポート作成などを課す内容で、高見運転士は04年のオーバーランで13日間の日勤教育を受けていた。
事故後、日勤教育の恣意(しい)的な運用は見直されたが、JR西は今年2月、事故調の意見聴取会で、「日勤教育は安全確保のため必要不可欠」などと主張。先月末の最終報告書案に対する意見聴取でも、同様の見解を述べたとされる。
しかし、事故調では、日勤教育には運転技術の向上よりも精神論的な内容が多く、上司がしっ責したり、ホームに立って別の運転士にあいさつをさせたりするなど懲罰的な内容が含まれていた点を重視。高見運転士が以前から、日勤教育について「嫌だ」「(運転士を)降ろされたらどうしよう」などと友人にこぼしていた証言もあり、今回のミスが会社側に知られて再び日勤教育を課されたりするのではないかという、心理的な圧迫が運転中に強く作用したとの見方を強めている。
一方、事故の引き金になった運行中の無線交信については、運転士が聞き入ると運転の注意力が減退する恐れが高く、運行に直接関係ない無線連絡をやめるなど、何らかの制限を求める方向で調整している。
また、つぶれにくい車両や、手すりの増設など、被害を軽減できる車両の構造が必要としている。