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大量出血など重篤経験の妊産婦、実際の死亡数の70倍 厚労省調査
2007年3月20日(火)15:49
出産時の大量出血などで、一時でも「生命に危険がある」と判断される重篤な状態に陥った妊産婦は、実際の死亡者数の70倍以上で、出産約250件に1人の割合に上るとみられることが、厚生労働省研究班(主任研究者・中林正雄愛育病院院長)などの全国調査で分かった。平成12〜17年の国内の妊産婦死亡は出産10万件当たり4〜7人程度で、一般には比較的まれな現象と受け止められてきたが、死に至る危険は多くの妊婦にあった実態が明らかになった。
調査に参加した専門家は「妊娠・出産の本当のリスクは、これまで考えられていたより高い」と指摘。産科医の減少が懸念される中、母親と新生児を守る周産期医療体制の充実を訴えている。
研究班は日本産科婦人科学会周産期委員会と共同で昨年、全国の産婦人科病院など998施設を対象にアンケートを実施。333施設から、平成16年の実績で国全体の11%に当たる約12万5000件の出産について回答を得た。
調査結果によると、大量出血や常位胎盤早期剥離(はくり)、頭蓋(ずがい)内出血などで死亡したのは計32人。だが、血管内凝固症候群などで一時でも生命に危険があると判断された妊産婦を含めると計2325人で、実際の死亡数の約73倍だった。この割合を、全国で62人が死亡した17年に当てはめて推計したところ、「生命の危険あり」は約4500人となり、出産約250件に1人の割合であることが明らかになった。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/health/e20070320009.html