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血塗られた車など買いたくない(非国民通信)
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/84cfcdbf6f078110f1997eac8b788c4e
血塗られた車など買いたくない
ゴーン流開発ラッシュでストレス? ルノーで自殺相次ぐ(朝日新聞)
パリ郊外にある仏自動車大手ルノーの新車開発拠点で過去4カ月間に社員3人が自殺していたことがわかり、検察当局が勤務状況に問題がなかったか捜査を始めた。労組側は、日産自動車を再建したゴーン社長が古巣で進める新車開発ラッシュが深刻なストレスを社員に強いていると主張。矢面に立たされたゴーン氏は勤務の改善を約束した。
約1万2000人が働く同社の開発拠点「テクノセンター」の男性技術者(38)が2月16日、自宅で自殺しているのが見つかった。遺書があり、「会社が求める仕事のペースに耐えられない」との趣旨が書かれていたという。妻は仏紙に「毎晩、書類を自宅に持ち帰り、夜中も仕事をしていた」と述べた。昨年10月と今年1月にも同センターの39歳と44歳の技術者がそれぞれ自殺した。
自殺大国である日本の自殺率を上回るペースで自殺者が出ているようですね。人を殺して会社を生かす日本式経営を覚えた影響でしょうか、ゴーン氏の経営に絶えられない社員が続出しているようです。日本の場合、あまりの低賃金で労働者の生活が成り立たないからと最低保証賃金の引き上げを提案すれば、それでは会社経営が成り立たなくなると、経営者側からだけではなく何故か労働者側からも反対が出る奇妙なお国柄、自分の命よりも会社の命を大切にする日本の風土の元ではゴーン氏を英雄視する見方もかなり強かったわけですが、フランスではどんなものでしょうか。ゴーン氏の日産時代の社員の自殺数のデータと比べてみたいものです。ともあれ、従業員1万2000人にして4ヶ月で3人の自殺は偶然では片付けられないでしょう。
日本車賛美に反発の声 ドイツで(朝日新聞)
環境重視の野党、90年連合・緑の党のキュナスト院内総務が2月12日付のフィナンシャル・タイムズ紙(独語版)で「ドイツ車は排ガスが多い。トヨタのハイブリッド車を買おう」と呼びかけた。環境担当の欧州委員も今年に入り、ベンツからトヨタ製に公用車を変えたいと繰り返している。
これに対し、ティーフェンゼー独運輸建設相は「独車に対する安っぽいボイコット運動だ」と反発。ガブリエル環境相も「私はドイツ人の税金で暮らす。日本車には乗らない」と明言した。
環境を重視するならトヨタ、愛国心に訴えるならベンツなんでしょうかね。私は環境重視ではなく人権重視、労働者重視なので「トヨタ車は多くの労働者の犠牲によって作られている。人間的な労働によって造られた車を買おう」と呼びかけたいところですが。
フェアトレードという考え方があります。まぁ簡単に言いますと、発展途上国の人間に奴隷労働させて、そうやって作られた商品をタダ同然の価格で買いたたき、生産者には永続的な貧困をもたらしておきながら仲介者が莫大な利益を上げる、これに対する否定でありまして、生産された商品を適正な価格で買い上げること、これによって生産者側に適正な対価を支払うことをフェアトレードというわけです。この生産者に適切な対価を支払っているフェアトレード品の購入を推進すること、逆に不当な低価格で買い付けられた商品の購入を避けることもフェアトレード運動の一部ですね。
残念なことに、このフェアトレードの概念、実行に移されている範囲が非常に狭いです。コーヒー、チョコレート、一部の雑貨、後はせいぜいサッカーボールくらいでしょうか。この辺はおそらく児童労働に対する批判から来ているようでして、つまり発展途上国の児童を過酷な環境で働かせておきながら、その生産品を不当な低価格で買い上げることで輸入業者ばかりが儲けている。その一方で、働く子ども達はいくら生産しても一向に豊かにならない、フェアトレードの実践はその辺りへの憤りに根付いている節がありそうです。子どもをタダ働きさせて生産された商品を買うのを止めよう、ちゃんと生産者に適正な対価を支払った商品を選ぼう、と。
そこで私としては、このフェアトレードの概念をもっと広げて欲しいと思うわけです。つまり非正規雇用の低賃金労働者や外国人研修生を不当な低賃金で働かせることで生産された商品の購入を控えよう、ちゃんと労働者に適切な賃金を払っているフェアな事業者の商品を買おう、と。だから人権を無視した過酷な労働を強いるメーカーの製品は買わない、人間の賃金を切り詰めることで利益を上げようとするメーカーの商品は買わない、労働者の犠牲の上に成り立っているサービスを拒否し、誰にも犠牲を強いていないサービスを要求する、そういうところまでフェアトレード運動が広がってくれないかと思うわけです。
フェアトレード運動とは決して富裕層の慈善活動ではありません。不当な労働環境によって生産された商品を拒否することは、企業側にその姿勢を改めさせる圧力であり、労働者側にとっても待遇の改善につながる運動であるはずです。だから、自動車絶望工場の製品は環境に良くても買わない、偽装請負によって造られた製品は安くても買わない、店員を酷使している店ではポイント還元20%でも買わない、代わりに誰も自殺しない工場で造られた製品を買う、労働者にしっかりと雇用を保障しているメーカーの製品を買う、店員にまともな給与と休暇を与えている店で買う、「人間に犠牲を強いてサービスを提供すれば消費者から白眼視される」「労働者に適切な待遇を用意していれば消費者から好印象を持たれる」そういう流れが作り出せれば、経営側も少しは考え直すでしょう。