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やがてこの国は、地方という名の「姥捨て山」を各所につくり出すでしょう。そこから出ようにも老人は出ることができません
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投稿者 TORA 日時 2007 年 1 月 20 日 14:25:07: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu136.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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やがてこの国は、地方という名の「姥捨て山」を各所につくり
出すでしょう。そこから出ようにも老人は出ることができません

2007年1月20日 土曜日

◆姥捨て山政策ー二つの国の存在論2ー  2006年12月8日 建築家の育住日記
http://oneandonly.livedoor.biz/archives/cat_50014921.html

姥捨て山伝説は、この国が貧しい時代に各地にのこされ、伝承されてきました。平成の御代に、口減らし伝説が復活しようとは思いもしませんでした。

“昔々、ある寒村の話です。その村では六十歳になると、里から遠く離れた山奥に捨てられるならわしがありました。年老いて働けなくなるからです。食べるのもやっとの貧しい生活をしていましたから、働かないものを食べさせることはできなかったのです。口べらしのため老人は山に捨てられました。”

公共事業以外にめぼしい産業がない。
若者が流出し、過疎化がすすみ、高齢化が著しい。
老人とともに多くの借金が残された。

こんな町や村は日本全国どこにでもあります。大騒ぎされている夕張メロンの町だけが抱えている問題ではありません。
夕張市の負債を一万倍すると、ほぼ日本国の借金に匹敵するそうです。その人口は日本国人口の約1万分の1ですから、夕張は日本国の縮小版と言うことができます。
つまり、明日は我が身の問題です。

姥捨て山の町村から出て行ける人がいます。若者です。
出て行けない人がいます。老人です。
夕張市民が強いられる負担増、受給切り捨ては現代版姥捨て山政策です。地方といっしょに、老人を遺棄する政策です。
正確に言えば、地方に老人を遺棄しておく政策です。平成の大合併で問題は先送りされたように見えますが、自治体破産はこれからが本番です。

夕張を見捨てます。
すると、第二第三の夕張が切り捨てられていきます。
「仕方ないよね、財政が厳しいのだから。破産なんだから。」
力の弱いところから、姥捨て山に捨てられていきます。
やがてこの国は、地方という名の姥捨て山を各所につくり出すでしょう。有刺鉄線の張られていないラーゲリ(強制収容所)です。そこから出ようにも老人は出ることができません。

公然と棄民政策が始まりました。
戦前は台湾、朝鮮、満州国の植民地に、戦後は移民として南米に棄民政策が実行されています。この国の官僚は、平然と自国民を遺棄します。これは戦前戦後とつづく官僚の「伝統」ですね。
自分たちの失敗を国民に押しつけることに良心の呵責はありません。恐ろしい連中です。

小泉という重しがとれました。族議員がばっこし、政府は政策決定能力を再び失いつつあるようです。
族は彼らに群がる利権を計ることができれば、官僚のつくりあげた棄民政策を無批判に実行に移します。
マスコミも空騒ぎするだけです。一騒ぎすれば、それでお終いです。すぐにメロンのことは忘れてしまうことでしょう。
北朝鮮の政治犯強制収容所を笑うことはできませんね。破産自治体(うばすてやま)という老人棄民国が続々とこの国に生まれようとしているのですから。


◆格差社会のまやかしー二つの国の存在論1ー 2006年11月21日 建築家の育住日記
http://oneandonly.livedoor.biz/archives/cat_50014921.html

御手洗日本経団連会長が法人実効税率を10%引き下げ、30%にするよう主張している。これに呼応するように、本間政府税調会長も欧米並みは妥当と発言している。

国の借金は八百兆とも一千兆ともいわれる。財政再建途上にあって、法人税を引き下げた分をファイナンスするのもまた税である。
どこから財源を持ってくるのか。
いわずと知れた消費税以外にそれを補填する税源はない。
つまりは法人税から消費税へ、企業から消費者へ負担が転嫁されるわけである。

格差社会論はまやかしの論議へとつながりやすい。格差社会というベールの先に、目をこらすと見えてくるものがある。
それをそろそろ語りはじめたいと思う。
日本国には、二つの国が厳然と存在する、という事実である。
いまだ多くの国民が日本国は一つだと思いこんでいる。一つの日本国は不変で、目先の格差を解消さえすれば元通りの日本国がよみがえる。そう信じている。
そうした古い信念にしがみついているかぎり、実像は見えてこないだろう。

法人と一括りにすると、法人実効税率30%はすべての法人に恩恵を与えると錯覚をうむ。
そもそも欠損法人は255万社中68.1%(平成15年)にのぼる。決算が赤で法人税ゼロの企業に、法人実効税率引き下げに何の恩恵も、意義もあるものか。
御手洗キャノンを筆頭にしたグローバル企業が恩恵を受けるだけのことである。

グローバル企業に対して、ドメスティック企業がある。
私の所属する建設・建築業界はその典型である。同様に中小企業や非製造業など日本国内にしか市場を持たないドメスティック企業は長期低迷にあえいでいる。1990年をピークに、16年間マイナス成長下にある。1995年以降で見ても年率0.3%のマイナスがつづく。
これに対し国境を持たない日本国籍のグローバル企業は、1995年以降年率7.8%成長をとげている。これは高度成長期に突入した中国経済の6.8%を上回る水準である。

企業は三つの過剰ー過剰雇用、過剰設備、過剰債務ーを解消し、バブルを脱したという。政府日銀マスコミがこぞって、そう喧伝した。
「バブルは解消された」
そうだろうか。
ドメスティック企業のなかでも、中小企業・非製造業はとりわけ過酷だ。長期借入金をキャッシュフローで割った返済年数は15年と、今日いまも過剰債務の中であえいでいる。過剰債務とともに、過剰雇用、過剰設備にも足を取られている。
バブル処理のまっただ中にいる。

いざなぎ景気超の恩寵のなかにいる法人と、16年を超える不況の中に閉じこめられたままの法人とは、まったく別々の国に暮らす「住人」である。
グローバル企業に対する減税は国際競争力の強化につながる。しかし、そのことと、その他大勢が恩恵にあずかることとはまったく別問題だ。それは別世界で語られるおとぎ話である。
これからもドメスティック企業は停滞し、そこに働く労働者の賃金は低下こそすれ上がる見込みはない。
十年先はさらに悪い。その先はさらにさらに悪化する。それがいま起こっていることの真相である。

なぜならグローバリゼーションは後戻りのない、不可逆的過程だからだ。
そんなことは周知のことである。
口をぬぐっているが、グローバリゼーションの帰趨はアメリカ、イギリスを見れば明白である。
二つの国に横たわる国境をドメスティック企業が超えることはないし、できない。それは、まったく別個の国の法人格である。

国境は早々動くものではない。ほとんど不変と考えて良い。だから国境だ。問題は目に見えない国境の存在である。
二つの国の存在論は法人企業にとどまらない。国民、勤労者、政界、大学、軍隊・・・日本国の中に厳然と出現しつつある「見えない」国境の存在、二つの国の存在に目を向けるべき時がきている。格差社会論はその入り口に過ぎない。


(私のコメント)
最近の円安問題について考えてきたのですが、日本と欧米との景気動向が影響しているようだ。日銀の金利政策も上げるの上げないのと迷いが生じていますが、格差社会の捉え方で見方もずいぶんと違ってくる。いわゆるグローバル企業は業績は絶好調であり円安ユーロ高などで手取りは自然に増えていく。

それに対して消費は相変わらず低迷していますが、賃金の低下が続いているから消費は増えようがない。日銀が金利を上げられないのも賃金が低迷していては上げようがないからだ。だから日銀が金利を上げたければ企業の定期昇給やベースアップを復活させれば出来る。しかしホワイトからエグゼンプション法案を成立させようとしているくらいだから会社員の賃金はますます押さえられる傾向にある。

企業業績が絶好調なのに従業員の賃金は上がらない。企業の利益はどこにいってしまうのかと言うと株主への配当などに行ってしまう。会社は誰のものかと言う命題がありますが、市場原理主義者からいえば会社は株主のものだ。だから利益は労働者には行かず株主に行ってしまう。これは正しい事なのだろうか?

経団連の御手洗会長はさまざまな事を政府に要求していますが、法人税率を大幅に負けろと言ってみたり、残業代カット法案を成立を要求したり、かなり酷い会長だ。前の奥田会長もずいぶん酷い会長でしたが、彼らは自分たちの事しか考えない。

トヨタやキャノンといったグローバル企業はもはや日本の企業とはいえないのですが、日本政府に対する影響力は増す一方だ。キヤノンといった企業は株主構成からも日本企業とはいえず、多くあった工場もたたんで中国などに移転させてしまった。85年のプラザ合意以来の円高によるものですが、最近の円安から見ると過剰反応ではなかったかと思う。

このようなグローバル企業の工場が海外移転して日本の地方経済は破滅的な状況になってしまった。夕張市のみならず、これから破綻する地方自治体は続出するでしょう。工場は海外に移転して唯一ある産業は公共事業しかないのにそれもカットされて地方は火の消えたようになってしまった。

「建築家の育住日記」に書かれたように、働く場の無い地方からは若者は都会に出て行き、残された地方は現代の「姥捨て山」となっていきます。小泉構造改革はさらに追い討ちをかけて地方を追い詰めていく。都会に働きに出た若者には年老いた父や母を養う力はなく、「姥捨て山」に捨てられて放置されている。

現代の「姥捨て山」はきわめて日常的な問題であるのに何の手も打たれていない。老人介護保険もかえって老人の負担を増やしただけだ。日本には国や地方にたくさん政治家がいるのに官僚の政策を追認するのみで、官僚たちは平然と現代版姥捨て山政策を実行していく。

よくテレビなどでは大きな政府がいいか小さな政府がいいか論議されますが、少子高齢化社会では小さな政府の政策はとりようがないが圧倒的に小さな政府支持者が多い。財政再建上小さな政府で税金負担を少なくしようと言うのでしょうが、地方に残された老人達を誰が面倒を見るのか? 

民放877条には扶養の義務が規定されているが、息子や娘達はその自覚はない。国の年金や健康保険制度は破綻寸前であり、息子や娘達は年金も支払わず健康保険すら払わない人が続出している。これでは家族が崩壊して孫達が荒れてくるのは当然なのだろう。老父母をほったらかしにしている両親は子供達を躾ける事ができない。

現代の「姥捨て山」政策こそ社会問題の象徴のようなものですが、今頃になって年金破綻や健康保険が赤字問題で大騒ぎしている。息子や娘達が親の面倒を見ていれば年金や健康保険の問題は起きないはずですが、「姥捨て山」の伝統が現代によみがえってきた。本当に背筋が寒くなる話だ。


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