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2008年01月10日
米国の安全保障政策にこだわり続けよう
私は軍事専門家ではない。しかし軍事問題というのは、装備の詳細に精通したり、軍事戦略を考える事が中心ではない。軍事の本質は外交であり、政治である。誰もが常識を働かして軍事問題を考え、論評できるものなのだ。
国民の最大の関心は年金問題や消費税問題、医療問題である。軍事問題については殆ど関心を示さない。軍事や安全保障問題はむつかしく、現実の生活には関係がない。そう思い込んでいるからだ。
そうではない。防衛政策の基本は決してむつかしくはない。それどころかこよなく我々の暮らしに大きな影響を与えているのだ。
我々はもっと米国の安全保障政策にこだわり続ける必要がある。その米国との軍事同盟を強化しようとしている政府の政策について、我々はもっと監視と関与を強めていかなければならないと思う。
もう一度繰り返す。軍事の本質は外交であり、外交は政治の延長である。その政治の主役は、かつては専制君主や王族の独占物であった。それが西欧の民主革命により一般大衆の手にわたった。
日本でも、敗戦による米国占領によって民主主義が導入された。それは借り物の民主主義ではあったが、それでも多くの国民の犠牲と引き換えに少ずつ根づいていった。
日本の戦後政治は、確かに、不毛なイデオロギー対立の政治が一般国民の政治への参加を妨げ、そのイデオロギー対立が左派の消滅で終わったとたん、今度は新自由主義という名の強者による「民主主義」が日本を席巻しつつある。その意味で、本物の民主主義の実現には程遠い観がする。メディアが権力と一緒になって国民を監視、誘導するようになり、むしろ逆行しつつあるとも言われる。
しかし決してそうではない。昨日の党首会談とそれを批評するメディアの報道を見るがよい。二大政党の党首会談があの体たらくなのだ。避けに避けてきた党首会談であった。問題が山積する中での党首会談であった。政権交代を賭けた党首討論であった。双方とも十分準備をして臨んだ党首討論であった。その党首討論が、「座布団を飛ばしたい」(1月10日朝日新聞社説)と言われるほどお粗末だった。権力を握る指導者がこの程度なのだ、という事が全国に知れ渡った。それをメディアが公然と報じる世の中になったのだ。
間違いなく国民が政治を動かす時代になりつつある。だからこそ国民は民主主義の担い手としての自覚を持ち、自らを高めていかなければならない。その自覚を読者に期待して私はブログを書き続ける。
いつものように前置きがながくなった。今日のブログの本題は「米国の安全保障政策にこだわり続けよう」という事である。
1月10日の朝日新聞「地球24時」欄に、「指揮権移管、米、韓国に延期拒否」という見出しの小さな記事を見つけた。これは大きな意味を持っている。もっと大きな記事にすべきである。報道関係者はその背景の詳細を調べ、その意味するところを考えて、正しく国民に伝えるべきである。
私の考えはこうだ。昨年米韓両国は朝鮮半島有事の際の作戦統制権(指揮権)を2012年4月に移管する事で合意した。これはノムヒョン政権下での対米自主防衛政策、対北朝鮮太陽政策に基づいた対米交渉の結果と受け止められた。平時における指揮権はかなり前に韓国に移管されているが、ついに有事の際の指揮権までも米国は韓国に引き渡した。
この事について当時私はブログの中でこう書いた。
「これは米国が韓国に譲歩したのでは決してない。米国の安全保障政策の変更がそうさせたのだ。もはや米国はテロとの戦いを最優先に海外の米軍基地を再編成しつつある。韓国に指揮権を委ねたと言うことは、もはやアジアの有事を想定していないということだ。中国や北朝鮮は米国にとって脅威ではないのだ。
その一方で米国は米軍の指揮権を日本に移動させ、自衛隊を自らの安全保障政策に組み込もうとしている。これは、極東の有事に備えて日本を守るのではなく、日本をテロとの戦いにおけるアジアの拠点としようとしているからだ」と。
私は、今日の朝日新聞の小さな記事から、この考えを更に強くした。昨年末の大統領選挙の結果、4月から韓国では李明博保守政権が誕生する。その次期政権側が米国に対し、指揮権の移管を先延ばしするよう求めていた事はすでに報じられていた。
それに対し米国防省は8日までに、「応じられない」と返答したと言うのだ。韓国への指揮権の移譲は韓国の要請に米国が譲歩したのではなく、米国側の都合でそうしたのだ。
その一方で日本に対してはどんどんと米国の指揮・命令を強めていく。それに対し日本政府は財政負担まで強いられている。おかしいと思わなくては行けない。米国の本心がどこにあるかを見極めなければならない。
「韓国と違ってやはり米国は日本を重視している。日米友好関係の証である」などと日本政府や官僚たちが本気で喜んでいるとしたらお笑いだ。国民を欺こうとしているのなら売国的だ。
米国の安全保障政策に我々はこだわり続けなければならない。
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