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http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2008/01/06/20080106ddm010040087000c.html
毎日新聞世論調査:衆院選、日本の岐路/温暖化、世界の試練(その1)
今年は日本が議長国の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が7月に開かれ、環境が主要テーマになる。一方、国内政治に目を転じれば、衆院解散・総選挙が実施される可能性が高く、08年は「環境の年」「選挙の年」になりそうだ。毎日新聞は昨年暮れに実施した全国世論調査(電話)で、地球温暖化問題と次期衆院選に対する意識を探った。【石川貴教、田中泰義】
◆安倍首相から福田首相へ
◇政権の性格、「変わらない」68%
近年の国政選挙では「党首力」がモノを言う。その観点から、調査には「安倍晋三前首相から福田康夫首相に代わり、政権の性格は変わったか」という質問も盛り込んだ。
「タカ派」から「ハト派」へ。さらに「親米派」と「親中派」、「官邸主導」と「官僚に配慮」……。安倍氏と福田首相は好対照に映る。しかし、調査では「変わらない」が68%を占めるという意外な結果が出た。それはなぜか−−。
「閣僚のほとんどを安倍政権から引き継いだ『居ぬき』内閣だからだろう。自衛隊のインド洋における給油活動の問題など、安倍政権の政策課題をいまだに引きずっていることも大きい」
これが政治評論家・浅川博忠氏の解答だ。
07年9月の安倍氏の突然の「政権放り出し」という事情もあり、首相は17閣僚のうち15閣僚を残留させた。確かに給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法案をめぐって四苦八苦している状況は安倍政権の姿そのものとも言えそうだ。
「所信表明演説でも私の考え方を出していますが、本格じゃないんですよ。自分のカラーに変えていくというのはこれからですね」
首相自身、昨年12月のTBS番組で、もどかしさを口にした。
内閣支持との関係を見ると、不支持層の73%が「変わらない」と回答し、全体よりも5ポイント高かった。浅川氏は「政権の性格が変わらないことに対する失望感が支持率を下げている」と分析しており、今後いかに独自色を打ち出すかが首相の課題だ。今月下旬に予定される施政方針演説が最初の試金石として注目される。
首相にとって明るい数字もある。「いい方に変わった」との回答が14%で、「悪い方に変わった」の11%を上回った点だ。
06年暮れの調査では「小泉純一郎元首相から安倍氏に代わって自民党は変わったか」という似たような質問をした。この時の回答が(1)「変わらない」69%(2)「悪い方に変わった」18%(3)「いい方に変わった」6%−−の順だったことと比較すると、発足3カ月前後の時点では福田政権の方が好感されている。
「サプライズは期待していないが、大人のリーダーシップ、老練さはある」。プロデューサーの残間里江子氏はこう首相を評する。
年齢別に見ると、「いい方に変わった」との回答は20代、30代では10%以下だが、70代以上では18%。高年齢層ほど、戦後最年少の52歳で就任した安倍氏から71歳の首相へのバトンタッチを好意的に受け止めているのも「大人度」への期待なのか。浅川氏は「安倍氏は年齢面も含めて背伸びしすぎた。福田首相のような安定感が今は必要だと思う。ひとえに年齢がなせる業だ」と指摘した。
ただ、残間氏は逆にこの個性がマイナスになる可能性を指摘。「首相は主役にならない役者。大人気の絶賛される芝居はしないが、致命的なはずしはしない」としたうえで、「面白いことはできないのではないか」と付け加えた。
◆投票、重視するのは
◇「人柄」「政党」より「国の政策」
衆院選で投票する際に最重視するのは「政策」が最多の51%、当選した政治家に一番重視してほしいのは「国全体の政策」が最多の62%だった。参院選に向けて06年暮れに実施した調査にも同じ質問をしたが、結果はほぼ同傾向。マニフェスト(政権公約)の浸透などにより、国政選挙に対する有権者の意識に政策重視が定着しつつあると言えそうだが、支持政党によっては「人柄」や「所属政党」へのこだわりの強さも見て取れた。
支持政党別に投票基準を見ると、野党支持層で政策重視傾向がより強く、民主支持層59%、共産支持層57%など全体の数字を上回った。これに対し、自民支持層は45%と低め。逆に「人柄」が22%で全体の15%よりも多かった。公明支持層も「政策」は27%で全体の約半分の割合で、全体では11%にとどまった「所属政党」が22%にのぼっている。
一方、当選後の政治家に一番重視してほしいものについて、支持政党別に分析したところ、自民支持層で06年暮れの調査と異なる傾向が見て取れた。06年調査では「国全体の政策」が全体よりも低い57%(「地元への貢献」が全体より多い32%)で、利益誘導への期待を感じさせたが、今回は67%で全体を上回った。参院で与野党が逆転した「ねじれ国会」への危機感が政策遂行能力を求める考えにつながった可能性がある。
◆勝ってほしい政党
◇「関心高い」層、民主へ
「次の衆院選で勝ってほしい政党」の回答は(1)民主46%(2)自民33%(3)その他の政党13%−−の順で、民主が自民に13ポイントの差をつけて圧倒した。詳しく分析したところ、衆院選に対する関心が高まるにつれ、民主の勝利を望む傾向が読み取れ、民主が昨年7月の参院選躍進の勢いを維持していることが浮かんだ。
四つの選択肢で聞いた衆院選への関心度別に見ると、いずれの層も民主が自民を上回ったが、「非常に関心がある」と回答した層で民主が55%と、自民の32%を大きく引き離した。
このほか、「ある程度関心がある」層は民主46%、自民37%、「あまり関心がない」層は民主35%、自民33%、「全く関心がない」層は民主33%、自民20%。関心が高くなるほど回答が自民、民主両党に集まり、それを民主が吸収していることがうかがえた。
支持政党別では、自民、民主の支持層は、大半が支持政党の勝利を望んだが、割合はそれぞれ86%、94%と差が出た。民主支持層で自民勝利を望んだのは3%にとどまったが、自民支持層で民主勝利を望む回答は10%にのぼった。
公明、社民、共産の支持層では、支持政党を想定したとみられる「その他の政党」の勝利への期待に違いが表れた。共産支持層はその他の政党が68%にのぼったが、公明支持層は41%で自民の45%より低い数字。社民支持層は19%にとどまり、民主の54%に大きく届かなかった。
無党派層は(1)民主44%(2)その他の政党21%(3)自民19%−−の順だった。
男女別では男性が民主55%、自民31%と差がついたのに対し、女性は民主38%、自民34%と拮抗(きっこう)。政界に定着している「女性の人気の低い民主党」という見方を裏づけた。
◆選挙区か比例か
96年衆院選から導入された小選挙区比例代表並立制は、次の衆院選で5回目を迎える。小選挙区と比例代表のどちらを重視するかを尋ねたところ、全体では小選挙区68%、比例代表21%だったが、支持政党別に見ると、共産支持層だけは比例代表60%、小選挙区32%と逆転した。
共産党はこれまで原則として全300小選挙区に候補を擁立してきたが、今回は一定基準を満たす選挙区に絞ったうえで比例代表に重点を置く戦略に転換。こうした方針が支持者に理解され、浸透していることを示した。
これに対し、自民支持層は小選挙区76%、比例代表15%、民主支持層も小選挙区73%、比例代表22%。多くの小選挙区が自民、民主激突となることが予想され、支持層にもその重要性が広がっていることを示した。自民支持層では、公明の選挙協力ほしさに「比例は公明に」と訴える自民候補がいることも影響しているとみられる。
◆支持政党と関心度
衆院選に関心があるのは、全体では「非常に」と「ある程度」を合わせて82%。関心がないのは「あまり」と「全く」を合わせて14%だった。ただ、無党派層は「非常に関心がある」が28%にとどまった。最近の選挙は無党派層の動向が勝敗のカギを握るとされており、各党とも、いかに無党派層の関心を高め、それを支持につなげていくかが課題になりそうだ。
支持政党別に「非常に関心がある」と答えた割合を見ると、(1)共産支持層61%(2)民主支持層52%(3)社民支持層46%(4)自民支持層40%(5)公明支持層38%(6)無党派層28%−−の順。公明支持層が低いのは、07年に統一地方選、参院選が続いたことから、公明の支持母体の創価学会に「選挙疲れ」のあることが影響しているとみられる。
男女別では、「非常に」と「ある程度」を合わせた「関心がある」層は男性が87%、女性が76%。これに対し、「あまり」と「全く」を合わせた「関心がない」層は男性10%、女性17%。また、「非常に関心がある」との回答は男性48%、女性31%となった。
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◇質問と回答−−衆院選・政局関連
◆2008年は衆院が解散され、総選挙が行われる可能性が高いと言われています。次の衆院選に関心がありますか。
全体 男性 女性
非常に関心がある 39 48 31
ある程度関心がある 43 39 45
あまり関心がない 11 7 14
まったく関心がない 3 3 3
◆衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいですか。
自民党 33 31 34
民主党 46 55 38
その他の政党 13 8 16
◆衆院選では小選挙区から300人、全国11ブロックに分けた比例代表から180人が選出されます。小選挙区と比例代表のどちらを重視しますか。
小選挙区 68 74 62
比例代表 21 20 21
◆衆院選で投票する際、何を最も重視して投票しますか。
人柄 15 15 15
イメージ 3 4 3
経歴や実績 9 8 9
政策 51 54 49
所属政党 11 13 9
知人や親せきなどからの依頼 2 1 2
◆衆院選で当選した政治家には、何を一番重視してほしいと考えますか。
国全体の政策 62 64 60
政府や政党幹部とのパイプ 4 4 4
地元への貢献 27 27 26
◆安倍晋三首相から福田康夫首相になり、政権の性格は変わったと思いますか。
いい方に変わった 14 15 12
悪い方に変わった 11 14 8
変わらない 68 67 69
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。無回答は省略。
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◇調査の方法
12月15、16日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査し、有権者1528人から回答を得た。
毎日新聞 2008年1月6日 東京朝刊
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