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写真を撮っていると“一期一会”ということを痛感せざるを得ない。「あぁ、この感じはいいなぁー」と思ってもそのときシャッターを押しておかないとまず撮れないことが多い。被写体が動物や風景の場合は特にそうだ。小鳥や猫などは一度シャッターチャンスを逃したらまずダメである。風景写真もそうである。後で撮ろうと思っても、カメラを取りに行って同じ場所に立っても「あぁ、この感じはいいなぁー」と思った写真はもう撮れないことが多い。だから、カメラをいつも持っていなければ良い写真は撮れない。即写寸言のupdateが少ないのはこうした事情である(笑)。
インターネットにも同じようなところがある。さっき asahi.com でニュースを見ていた。それを引用しようと思ったのだが、先ほど見た記事はもうなかった。私も永田町徒然草をupdateした後で、再び見て訂正することがある。不適切な表現などはupdateの段階で校正するが、もっといい表現を思いつくことが結構あるからである。そういう時、私は躊躇なく訂正する。このようにインターネット上の表現は簡単に変えられるのである。また変わるのである。ニュースの場合などは、その記事そのものがサイトでは見れなくなってしまう。従って、後で見たり引用したいと思ったら、プリントしておくかURLをコピーしておくしかない。
私が引用しようと思った記事は小沢民主党代表の談話であった。「政府は租税特別措置法改正案を予算案が可決する前にも衆議院で可決しようとしているが、これに反対する。民主党内には道路特定財源の暫定税率の廃止に反対する議員もいるが、皆で議論して決まったたらこれに従うのが民主主義である。私は造反など心配していない」という趣旨であった。これは非常に重要な記事である。
確かにガソリン税の暫定税率を維持するという租税特別措置法を2008年3月30日までに成立させないと、4月1日からガソリン税は本則税率になる。現行のガソリン税をガソリンスタンドなどで徴収することはできなくなる。これはテロ対策特別措置法が期限過ぎたために、インド洋における給油活動を停止せざるを得なかったのと同じである。もし租税特別措置法案を衆議院で再可決するとしたら、租税特別措置法案は1月31日までに衆議院で可決しておかないと憲法59条2項の規定で再可決し、暫定税率を維持することはできなくなる。
この記事で見逃せないのは、“造反などは心配していない”という点である。政治家が心配していないという時は、実は心配しているのである。小沢民主党代表の発言は、造反に対する牽制である。国民新党はガソリン税の暫定税率の延長に賛成ともう表明している。民主党の“道路族”(?)の中には、暫定税率の廃止に反対だと明言した議員がかなりいた。自公“合体”政権はこういう議員にいま一生懸命に働きかけているのだろう。租税特別措置法案の賛成派が参議院の過半数を確保できるのかどうか、私はいま手元に資料がないので何ともいえない。しかし、この攻防は非常に大きな政治問題である。政治と政策、政党と政策、政治家と政策という根本問題を突き詰められることになる。
「憲法が再可決の規定を定めているのだから、規定どおりちゃんとやったらいい」という意見を学者やコメンテーターが盛んにいっている。一方で解散総選挙は急ぐ必要はないともいっている。こういう言を聞く度に、私は“御用学者”という言葉を思い出さざるを得ない。わが国の政治の根本問題は、現在のような国会の状況において、どのような政治を行うことが正しいのかということである。国民の意思に適う政治を行うことが民主主義の基本である。これが政治の要諦である。憲法59条2項の規定はその手段でしかない。御用学者のこのような理屈は、手段と目的を履き違えている。
それでは、また。
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