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2008年01月04日
佐藤優の外務省攻撃がとまらない
雑誌を買っても全ての記事を読む事はまずない。しかし年末年始の時間を使って、めずらしく買った雑誌のすべてを隅から隅まで読んだ。おかげで色々な事を学んだ。それをブログで折に触れて紹介させてもらおうと思っている。
最初に紹介したい記事は月刊文藝春秋1月号にのっていた佐藤優の「外務省・松尾事件の真相」という記事である。事件の真相を知っている私には衝撃的な記事であった。外務省の現役・OB官僚はさぞかし逃げおおせたと思って忘れようとした過去の醜聞を思い出して腰を抜かしているに違いない。
私も忘れていたぐらいだから、大方の読者はもっと忘れていたに違いない。おまけに最近は年金横領や守屋疑惑など官僚の金銭にまつわる不祥事は当たり前になってしまった。今更外務省のスキャンダルなど過去の話だ、と思うかも知れない。しかしそうではない。あの事件は、大蔵省(当時)のノーパンしゃぶしゃぶ事件と並んで、官僚組織を揺るがした前代未聞の醜聞であったのだ。
しかも外務省の場合、なんら真実が表に出ることなく、一職員の詐欺事件で終わらせてしまったのだ。それを佐藤は国民に思い出させたのだ。寝た子を覚ましてくれたのだ。
佐藤の記事の全てをここに書く余裕はない。しかし次の一部を紹介するだけで、彼の言いたい事は十分伝わる。2002年3月12日、東京地裁は外務省会計担当官松尾克俊被告に懲役7年6ヶ月の実刑判決を言い渡した。それから6年近くが経った。松尾氏は刑務所で模範囚として過ごしているという。刑期満了前に仮釈放となるだろう。場合によっては今年中にも出所するかもしれない。世間やマスコミは決してこの事件を忘れてはいけない。彼の出所をまって改めてこの事件を検証しなくてはならない、そういう佐藤のメッセージなのである。
勿論私はこの問題を忘れない。佐藤と同様に真実を知っているからだ。松尾事件で壊滅的な打撃を受けたはずの外務省は、問題の本質を隠蔽して今日まで来た。その負い目が、わが国の外務省をここまで劣化させたのである。後ろめたさを引きずって、気迫ある本物の外交などできるはずはない。この事件の真の解明こそ、外務省が生まれ変われるきっかけになると私は信じている。
以下は私が抜粋した佐藤の告発記事である。
・・・(約4億5千万円という)多額の公金詐欺事件であるにもかかわらず、外務省幹部も松尾氏の部下も、一人も連座しなかった・・・筆者がいちばん信頼する会計担当の中堅幹部はこう言っていた。
「・・・あの人が・・・外務省内に愛人を作ったり、また裏金で幹部のゴルフコンペを開いたり、キャリアの飲食費を負担したりと、やっていることは滅茶苦茶です。松尾よりも松尾に甘えている上の方に問題があるんですよ・・・あの人がやっていることは犯罪です。ただし、それを摘発したら上も連座する。そういう構造です」・・・
筆者はワシントンで松尾氏と同時期に勤務していた航空会社幹部から、こんな事を言われたこともある。
「松尾さんは大使館幹部のために何から何まで面倒を見ていましたよ。エコノミークラスをビジネスクラスにするアップグレードや、数百キロの超過荷物をタダにしてくれといった類の無理難題を、松尾さんが一生懸命処理していましたね・・・あの事件を知って、外務省は松尾さんにありとあらゆる汚れ仕事をやらせたのに、完全にトカゲの尻尾切りをしたと思いました」(ワシントン駐在航空会社幹部)
そして佐藤は、その長い外務省批判を次の言葉で締めくくっている。
・・・松尾が取り調べや法廷で呑み込んでしまったことを、全て表に出せば、外務省に激震が走ると思う。筆者の予測では、外務省は、痕跡がつかないように二人くらいの仲介者を通じ、松尾が仮釈放になった後、可及的速やかに接触し、口止めを画策し、その見返りに一生生活の面倒を見ることになると思う。
この記事を読んだ外務省幹部・OBはこの佐藤の言葉を何と聞く。
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