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2008年01月01日
国際社会と日本の役割
元旦の朝刊各紙の社説は、やはり本年は政治が大きく動く年であるという論調が多かった。その通りであると思う。
しかし本年最初のブログでは、私は毎日新聞の社説から次の一文を引用し、そして国際政治における日本の役割について考えてみたい。新年らしく、明るい未来志向のブログで始めたい。
「08年を考える」と題した毎日新聞の社説は、身捨つるほどの祖国はありや、という寺山修司の短歌の一節を引用し、世界と日本の混迷の共通項として、「責任」の欠如、「公(おおやけ)」の感覚の喪失をあげている。
そして、日本の場合、「公共心や責任というものが身についていなかった」とすればそれは「(それが)借り物であったからではないか」、「公共心や公共への責任感は空から降ってくるわけではない。それは私たちが、共通する問題にどう対処するか、平等な立場で、オープンに議論をたたかわせる中で」、「自分たちが手探りで作っていかなければならないもの」、であると論じている。そうなのだろうと思う。
しかし私はこの社説の中の国際情勢を語る次の部分を読んで日本の果たすべき役割を考えてみた。
・・・唯一の超大国としての(米国の)威信は昨年大きく失墜した。政治的にはイラク問題。経済的にはサブプライムローン問題だ。
超大国の役割は「平和と安定」という世界のための公共財を提供することだ・・・米国は限界を明らかにしつつある。
サブプライムローン問題は米国が住宅バブルを放置した結果である・・・イラク戦争でも地球環境問題でも、米国がその理念と構想力で世界をリードするのが難しくなった。もう冷戦終了直後の精神的指導性を有していない。
米国の混迷の間に、中国と資源国ロシアの台頭がめざましい。しかし、彼らが米国に代わって世界運営の責任を引き受けたわけではない。逆に露骨に国益を追う事が多く、世界の不安定化に拍車をかけている・・・
私は米国の力を決してあなどらない。米国が没落するなどという言説には与しない。米国は、未来永劫というわけではないが、当分の間引き続き世界最大の軍事大国、覇権国として世界に君臨するに違いない。
しかし、米国はもはや世界の平和と安定という「国際公共財」を提供できる国ではない、米国では世界を幸せにはできない、という点については同感である。
この毎日新聞の社説に中で、私が最も同意するくだりは、そして強調したい事は、台頭めざましい中国や、プーチンによって復権したロシアもまた、いやそれ以上に、決して「世界の安定と平和」に対して責任を果たそうとしている国ではないということである。彼らもまた、「露骨に国益を追求する国」であり、世界を安定化させようとする国ではないのだ。その意味で私は、米国から決別して中国やアジアとの関係を重視せよ、と唱える人達の考えにも、米国についていくしかないと考える対米従属の人々と同様、与しない。
多極化する世界の中で、核兵器の拡散、テロとの戦い、温室効果ガスの削減などグローバルな問題について、米国、欧州、中国、ロシアなどの大国に、そしてインド、ブラジルなど続々と台頭する新興勢力に、どこまで国際公共財の実現の必要性をわからせるか、そして一致協力させられるか。
私は、希望を込めて、その役割を担う国こそ日本だと思っている。日本はこれまで世界を支配してきた欧米とは異なる仏教の国である。日本の伝統的な価値観は和であり協調であり中庸である。極端な競争社会を好まない心情がある。なによりも弱者に対する思いやりがある。」
その日本が、平和憲法9条を掲げて世界に訴える時、誰も正面からそれに異を唱える事は出来ない。野心と権力欲に取りつかれた世界の指導者たちではなく、世界の市民、国民の多くは、そのような日本に拍手喝さいを送るだろう。
そのためには、日本がまず、そのような国にならなければならない。世界の公共財を実現しようとする理想も意思もなくなった米国にどこまでも従っていこうとする日本が、本来の日本の姿にまず変わらなければならないのだ。自主、自立の日本元年にしてみたい。
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