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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080101k0000m010063000c.html
政治とカネ:久間元防衛相が1億円受領 資産公開記載せず
久間章生元防衛相が自民党総務会長だった06年1月、福井県敦賀市の知人男性(64)から1億円を受領していたことが分かった。久間氏と男性は毎日新聞の取材に授受を認め「貸借関係」としているが、無担保で実行された形になっている。久間氏は防衛庁長官就任(06年9月)後に公表した文書「国務大臣等の資産公開について」にこの1億円を記載しておらず、大臣規範に抵触する疑いがある。
男性は福祉用具販売会社「オー・ティー・アイ」(OTI、東京都江東区)の社長の父で、OTIの監査役を務めたこともある。
男性によると、旧知だった久間氏から05年「土地を買うので融資してほしい」と頼まれた。このため同年11月末ごろ、銀行から1億円を借り入れていたOTIが、男性に全額を転貸する形で資金を捻出(ねんしゅつ)。06年1月、久間氏に1億円を手渡した。その際、借用書は受け取ったが担保は取らなかったという。
久間氏は07年12月30日、取材に1億円の受領を認め「3年で返済する契約。これまでに1800万〜2500万円ぐらい返した」と話した。利子については「借用書には書いてある」としたものの、具体的な利率は明らかにしなかった。
経緯については「男性がある不動産を買う約束だったのにキャンセルしたため、代わりに自分が購入することになった」と男性側と異なる主張を展開。そのうえで、1億円のうち8500万円を自身が取締役の軍事・政治経済情報提供会社「アイメック」(新宿区)に貸し付け、不動産を買い取ったという。
資産公開法は、国会議員に本人名義の借入金などを記載した「資産等報告書」の提出を義務付けており、大臣規範は本人だけでなく配偶者らの名義にまで公開対象を拡大している。久間氏は06年11月2日付の公表文書で借入金を「3808万3700円」としており、1億円は記載していない。久間氏は「記載しなければならないかもしれないが、実質は会社(アイメック)の借金なのでいいと判断した」と弁明した。
久間氏は橋本・安倍両内閣で防衛庁長官を務めた。07年1月、初代防衛相に就いたが、原爆投下を「しょうがない」と発言し、同7月に引責辞任した。
【ことば】◇政治家の借入金処理◇ 政治活動目的の場合、政治資金規正法に基づき、借入先と各借入金額を政治資金収支報告書に記載しなければならない。不記載や虚偽記載の場合、5年以下の禁固か100万円以下の罰金。今回明らかになった不動産購入など政治目的外の場合でも、資産公開法は「資産等報告書」に国会議員本人の、大臣規範は配偶者や扶養する子供も含め、それぞれの借入金額を記載するよう規定しているが、いずれも罰則はない。衆議院事務局によると、隠ぺいなど悪質な場合、政治倫理審査会にかけられ登院停止・自粛などの勧告を受けるが、借入金問題を巡り勧告を受けた例はない。
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