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白川勝彦:最後の“普通”の1週間 = 永田町徒然草
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 12 月 17 日 07:36:05: mY9T/8MdR98ug
 

永田町徒然草 No.646

今日からはじまる1週間が今年最後の普通の1週間なのだろうか。来週の月曜日は天皇誕生日の振り替え休日であり、金曜日の28日はもう御用納めである。年賀状の作成にもとりかからなければならない。そんな訳で気ぜわしい1週間になりそうである。しっかりと仕事をして、お互いに良い年を迎えたいものである

政府与党は、今週中にも来年度予算を決定する。かつては12月28日までのギリギリまで予算編成をしたものである。重要な案件のためにそれが遅れることもあって、大晦日までかかったこともあった。かつては財政にも余裕があり、ある政策を実現するために大幅な予算を計上することもできた。現在では財政に余裕はなく、削る話ばかりである。従って、国が何をしようとするのか、予算でその意思を表わすことができなくなっている。財政が硬直しているからである。財政再建をしない限り、こういう状態は今後とも変わらない。

硬直しているのは、予算だけではない気がする。自公“合体”政権の政治的考えも硬直している。新テロ特措法案は、国民に希望を与えるものではない。自公“合体”政権の言い分をよく解釈したとしても、せいぜい“義理を果たす”程度のものに過ぎない。“義理を果たす”ことでは、希望は生まれない。そんなことに3分の2条項を使おうというのだから、自公“合体”政権は愚かである。ハッキリといっておくが、憲法59条2項の“3分の2条項”は2度も3度も使えるものでない。憲法上は制限はないが、政治的には実際問題として不可能である。どうもこんなことが分かっていないようである。

憲法59条2項の“3分の2条項”は、現在のような政治状況において伝家の宝刀である。伝家の宝刀というのは、本当に必要なとき1回だけ使うものである。それを台所の包丁のようにいつでも使えると思ってところが、幼稚じみている。昨日も書いたが、新テロ特措法案を再可決してみても“日米安保で飯を食っている”アメリカの一部勢力に義理を果たすだけのことである(永田町徒然草No.645参照)。ブッシュ大統領を支えるネオコンなどは、その類である。しかもこの政権はもうレイムダックなのである。そんな者のために伝家の宝刀を使おうというのだから、自公“合体”政権は愚かであるといわざるを得ない。

自民党筋から盛んに解散総選挙を延ばそうという発言が起こっている。公明党も選挙恐怖症に陥っている。今年の参議院選挙の大敗のためであろう。しかし、解散総選挙を恐れる政権などというのは、半分死んでいるようなものである。政権政党としての自信と気迫がないことを自白しているのである。国民の支持が得られるという自信がない政権は、哀れである。見苦しい。それなのに自民党や公明党は、尊大である。政権党であることを嵩(かさ)にきている。それは内面からくる自信ではない。たまたま衆議院で化け物のような3分の2を超える議席をもっているからに過ぎない。

だから私はこのことが自民党にとって不幸だといっているのである。自公“合体”政権がもっている衆議院における3分の2の議席は、過去のものである。過去の栄光にすがることを“虚勢”を張るという。虚勢の“虚”は、うつろということであり、現実に存在していないことをいう。今度解散総選挙をやれば、まず間違いなく化け物のような3分の2の議席はなくなる。現在の議席は、まさに“虚”なのである。“虚”なるものに依存している者は、現実を正しくみることができない。当然のこととして、“虚”なる現実から脱却する道筋を立てることもできない

自民党も公明党も両党会わせれば、次の総選挙でなんとか過半数を確保することができると考えているのではないか。しかし、それは甘い。少なくとも現在のような政権運営をしていて過半数が獲れると考えているとしたら、政治を舐めている。現在の年金問題に対するいい加減な対応などその典型である。ガソリン税の暫定税率の10年間維持も同じである。私にいわせれば、自公“合体”政権は自らの墓穴を一生懸命掘っているとしか思われない。野党は自信をもって遠慮なく攻めることである。野党は、己の考えや存在に自信をもつことである。自信をもってやれば、智慧や迫力が出てくる。“断じて行えば、鬼神もこれを避く”というではないか。

それでは、また。


 

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