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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/scope/CK2007121502072294.html
2007年12月15日 紙面から
大阪高裁の和解骨子案に矛盾しない解決策−。福田康夫首相は14日、薬害肝炎訴訟の早期解決を舛添要一厚生労働相らに指示した。最終的には首相自身が政治判断を下すことになるが、それが原告団にどう受け入れられるのか。首相は政権の浮沈がかかる決断を迫られている。
(吉田昌平)
福田首相の脳裏には、二〇〇一年五月の政治決断が焼き付いているに違いない。
当時の小泉純一郎首相はハンセン病国家賠償訴訟で、おおかたの予想を覆して控訴を断念した。政権発足から一カ月になろうとしていた時期だった。
熊本地裁がらい予防法の強制隔離規定に「立法上の不作為の違法性」を認め、国に総額十八億円余の支払いを命じていた。
厚労省はじめ政府は当初、判決を不服として控訴する方針を示していたが、小泉首相はこれを翻し、「官の論理」よりも患者救済を優先した。
当時、小泉首相の英断を水面下でおぜん立てしたのが官房長官を務めていた福田首相。事務方を通じ控訴断念の代わりに、地裁判決が示した「違法性」を認めない政府声明を発表する選択肢を準備し、小泉首相に進言した。
これにより、法律論を脇に置き、患者救済を可能にする解決策が決まった。
内閣支持率80%を超えていた小泉首相は、その後も高支持率を維持。「小泉ブーム」は確かなものとなり、同年七月の参院選大勝につながった。
官邸予防線『全部はできぬ』
福田首相は政権発足後、約二カ月半が経過する中で、再び同じような状況下に置かれた。
十四日は、町村信孝官房長官や舛添氏と国会内で会談し、和解案の説明を受けるとともに、「厚労相が中心となり、しっかり指導力を発揮してまとめるように」と指示した。
だが、「できるだけ多くの人を救いたい」(舛添氏)といっても、原告団の求める被害者全員一律救済のハードルは高い。国の責任をどこまで認めるのか、支払う和解金の額は、という現実問題が横たわる。
このため、早期の問題解決には「首相の指示を逐一もらいながら」(舛添氏)調整を進めるしかなく、結局は首相の判断次第だ。
支持率は下落傾向にあり、参院で与野党逆転したねじれ国会の苦境も続くが、首相の決断が原告団に歓迎されれば、政権運営に弾みがつく。
逆に失望を与えた時のダメージも大きく、「政治の判断は、何でもできるものではない」(町村氏)と、あらかじめ期待値を上げすぎないよう、予防線を張る向きも政府にはいる。
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