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http://www.amakiblog.com/archives/2007/12/14/#000624
2007年12月14日
読売新聞の日米共同世論調査を読み解く
12月14日の読売新聞は米ギャラップ社と読売新聞社が共同で行った日米世論調査(11月中旬実施)の結果を大きく報じていた。それを報じる読売一面トップの見出しは、「日米関係の評価悪化 両国ともに2000年以来最低」というものであり、その理由として、米国の対北朝鮮政策の変更が日本世論の対米評価を低くし、海自の給油活動停止が米国世論の対日評価を低くしたようだ、などと書いている。
しかし世論調査の内容を詳しく見てみると日米両国民の意識は根本的なところで大きく食い違っている事がわかる。
たとえば「信用している組織や公共機関」では、日本国民では「新聞」の61%がトップであり、以下「病院」(54%)、「裁判所」(53%)であるのに対し、米国民では「軍隊」が78%と8年連続でトップであるという。そして「教会」が75%と続く。つまり米国民は圧倒的に軍事優先の国民であり宗教色の強い国民であるということだ。日本人とは違う。
そして両国民の最も顕著な違いは、どの国に軍事的脅威を最も感じるかというところに現れている。すなわち米国民は中東(76%)に脅威を圧倒的に感じており、その後に北朝鮮(65%)、中国(57%)、ロシア(45%)と続く。他方日本国民は、北朝鮮(74%)に圧倒的な脅威を感じ、その後に中国(63%)と続く。中東の脅威に至ってはわずか34%である。
因みに海上自衛隊による給油活動に対する米国民の反応は賛成17・7%、どちらかといえば賛成35.4%と合わせて53.1%である。この数字を読売新聞は「米国では海自の補給活動は一定の評価を得ているようだ」と強引に肯定的に書いている。しかし給油をただで協力してもらっている米国民のわずか17.7%が賛成しているだけである。「どちらかといえば」の35.4%とあわせてやっと過半数を超える程度である。安倍、福田両政権が、「中断すれば日米関係に深刻な影響をもたらす。何があっても継続しなければならない」と危機意識を持って騒ぐほどに米国民は関心はないのだ。
圧倒的に多くの米国民が軍隊に信頼を寄せ、その軍隊が戦う最大の脅威を中東に感じる国、米国。その米国を「最も価値観を共有する国」、であり、だからこそ「日米軍事同盟は日本外交の最優先政策である」と言い続ける日本政府や官僚は、実は実態を見ない思い込みの対米従属外交を続けているのである。その事を教えてくれる日米共同世論調査である。
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