★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK45 > 198.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2007/12/13/#000622
2007年12月13日
ポル・ポト虐殺政権を支持した米国
13日の産経新聞に在バンコクの鈴木真というジャーナリストの超一級の記事を見つけた。こういう記事を見つけると私は宝物を見つけたような気になる。200万人ものカンボジア国民を大虐殺したポル・ポト政権を米国のキッシンジャーがベトナムに対抗するために利用したという史実を暴いているのだ。キッシンジャーはポル・ポト政権の残虐行為を知りながら、ポル・ポト政権を容認したのである。
機密指定を最近解かれた米国の外交文書の中に米国とタイの外相会談の議事録がある。会談は1975年11月26日、ワシントンで行われた。ポル・ポト政権の誕生から約7ヶ月半後である。当時国務長官であったキッシンジャーはタイのチャチャイ外相(後の首相)と昼食をとりながら冗談をまじえて和気藹々の雰囲気で話したという。キッシンジャーはバンコクの駐タイ米大使の公邸が気に入ったと語り、「この仕事を辞めたらタイに行こうか」と軽口をたたいた。「(自分は英語にもなまりがあるくらいだから)なまりのあるタイ語を話す」などと出身国ドイツなまりの英語を話す自分をチャチャイ外相の前で茶化して見せたという。
そしてベトナム戦争に話が及ぶ。当時はベトナム戦争とカンボジア内戦の終結直後とあって、話題はインドシナ情勢に集中した。米国に敗戦の煮え湯を飲ませた北ベトナムをキッシンジャーはこき下ろした。
「北ベトナムは世界で一番たちが悪い。北朝鮮やアルバニアも相当厄介だ。だが最悪なのは北ベトナムだ・・・」
そしてキッシンジャーはソ連の後押しを受けたベトナムが東南アジアの最大の脅威だとして、その進出を阻止するためにはカンボジアの後ろ盾である中国と手を結び、カンボジアをベトナムの攻勢からの盾として使う戦略をチャチャイ外相に説く。そこで出たのが次のような発言である。
「・・・カンボジアに伝えて欲しい。我々は連中の味方になるだろうと。連中は人殺しの悪党だ。だが、それは障害にはならない。我々は連中との関係を改善しようと思う」
このキッシンジャーの言葉をジャーナリスト鈴木真はこう述べてその記事を締めくくっている。
「・・・米国が掲げる人権や自由と、国際政治の力学のどちらが、米国にとってより重いのか。その格好の例証がカンボジアである・・・」
格好の例証はカンボジアだけではない。アラブの反米・反イスラエルのテロを押さえつけるために独裁国家シリアを利用する。イランを掣肘するためにイラクの独裁者サダム・フセインを利用する。ソ連のアフガン侵攻を防ぐためにはオサマ・ビン・ラデンを支援して戦わせる。役目が終わったら一転して切り捨てる。これが米国の外交である。
キッシンジャーは米国に先んじて中国との国交正常化を果たした田中角栄を「ジャップ野郎」と罵っていた事も、既に別の秘密資料の公開で明らかになっている。キッシンジャーだけではない。ベーカーもクリントンもブッシュもライスもラムズフェルドも、日本の事を影で何と言っているか、我々は知っておかなければならない。
それを知ってか知らずか、日本政府や官僚は、「日米同盟はすべてだ」とい続けて米国に従属する外交を進めてきた。さぞかし米国は笑っているだろう。あきれているだろう。そして勿論馬鹿にしているのだ。
日本政府や官僚たちは一体何だろうか。米国に雇われた代理人か。明らかにそういう売国奴はいる。しかし大半の者は極めて単純だ。米国という国をまったく理解していないのだ。国際政治の現実を見つめられないのだ。驚くべき無能者、お人よしに違いない。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK45掲示板
フォローアップ: