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<発信箱>民営化は万能ではない=与良正男(論説室)http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20071213-01-0301.html
2007年12月13日 毎日新聞
多くの人がそうであるように、私も長期ローンを組んでどうにかマンションを買った時、「これで無鉄砲に会社を辞めることなどできなくなったなあ」と思ったものだ。かつて持ち家政策の推進役だった故田中角栄元首相は「持ち家で住宅ローンを抱えれば人は保守化する」と語ったという。そうかもしれぬ。
その政治的意図はともかく、長期ローンは右肩上がりの経済成長、終身雇用、年功序列型賃金という日本社会の特性を前提としており、私も恩恵を受けたのは確かだ。
そんな時代は過ぎ去り、持ち家どころか、少なからぬ若者が「夢は正社員」という格差社会が到来した。当然、住宅政策もそれに見合ったものにしなくてはならない。
独立行政法人の改革をめぐり、渡辺喜美行革担当相と他閣僚の対立が続く。渡辺氏の突破力は買う。が、私たちが先日社説で指摘したように賃貸住宅供給などを仕事にしている都市再生機構の民営化は慎重に考えるべきだと思う。
無論、家賃が月35万円といった物件を機構が持つ必要はない。ただ、安い家賃の賃貸住宅はますます必要となっているのではないか。仮に民営化した場合、低家賃の方向に向かうとは思えない。
介護事業の不正行為を例に出すまでもない。この1年、私たちは何でもかんでも民間に移せばいいわけではないことを学んだ。経済効率だけでは済まない分野もあるのだ。
住宅政策をどう進めるか。格差問題を考えるうえでも公営住宅を抱える地方自治体も巻き込んだ議論が必要だ。政界でそんな声があまり聞かれないのが不思議でならない。
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