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「題名:No.802 目に余る対米従属
From : ビル・トッテン
Subject : 目に余る対米従属
Number : OW802
Date : 2007年12月10日
日本政府がいかに米国のいいなりかを指摘するために、米国政府から渡される『規制改革要望書』について私が最初に触れたのは、今から10年ほど前、拙著「日本はアメリカの属国ではない」においてだった。
(ビル・トッテン)
目に余る対米従属
10年前、拙著で引用した要望には、大規模小売店舗法を廃止して欲しい(廃止された)、高速道路での二人乗りを認めるべきだ(高速自動車国道や自動車専用道路で自動二輪車(125cc超)の二人乗り運転ができるようになった)などがあるが、これ以外にも、郵政についていえば、1996年、2003年、2004年と3回にわたって米国政府は民営化を「要望」してきた。そして日本政府は、バイクの二人乗り運転を許すように、国民の税金を投入して国民のためにサービスを提供していた郵政事業を民営化したことはいうまでもない。いまさらだが、米国政府が要望し、日本政府が素直に従った項目を挙げてみよう。
1999年、労働者派遣法が改正された。権利もなく、労働組合も組織されておらず、「派遣に切り替えれば人件費が半分で済む」という派遣業者や経営者の声を反映して派遣労働者は急増し、日本社会の格差の広がりに大きく貢献した。2004年、法科大学院が設置され、また司法試験制度が変更された。日本が米国並みの訴訟国家となるのも、時間の問題かもしれない。2005年、日本道路公団が解散、新会社法が成立した。郵政公社をはじめ、あらゆる公社・公団の民営化が米国の要望である。さらに民営化プロセスにおいて、米国企業にも意見を述べる機会を求めているので、今後も米国に都合のよい方向に民営化が進むことは間違いない。
そして今年、新会社法の中の三角合併制度が施行された。手ぐすねひいて待っていた(としか思えない)シティグループが、日興コーディアルグループを完全子会社化したことは記憶に新しいだろう。米国政府の要望通り、シティはお金を使わずに日興を買い取った。CEOが辞任に追い込まれるほど米国の低所得者向け住宅ローン問題で巨額な損失を出したシティは、日本政府の規制改革によって、お金を払わず自社の株式を使って東証上場を果たすことができるわけだ。日興コーディアルといえば、昨年末粉飾決算で話題になった会社である。カネボウ、西武鉄道が上場廃止されたにもかかわらず、また、ライブドアよりも粉飾金額が大きかったにもかかわらず上場廃止にならなかったのはなぜという疑問の答えは、この三角合併かもしれない。
そして、だからこそ、米国政府の「規制改革要望書」の存在を、日本のテレビも大新聞も報道しないのだろうと私は思っている。米国は堂々とこの要望書を、米国大使館のホームページに掲載しているのだから、存在を隠したいのは、日本政府のほうなのだろう。拙著でも触れたが、以前、通産省(当時)のある人物に要望書を受け取ることをどう考えているのかと質問したところ、歓迎している、要望も具体的であればあるほどいい、という返答だった。この姿勢は10年間変わっていないようだ。
では今年、米国は日本にどんな要望を突きつけているのか。10月18日にシュワブ米国通商代表から提出された文書には「日本の改革路線の継続を要望」と、たからかに、事細かに改革が列挙されている。
メディアに報道されているかどうかは知らないが、東京にある米国大使館は、過去10年間、地代を滞納しているという。東京の赤坂にある国有地1万3000平方メートルの賃貸料が97年まで年額250万円だったことも驚きだが、日本政府が値上げを提示したところ米国大使館は98年から未納だというから、日本もなめられたものだ。要望書を待ち望むくらいだから、立ち退きを要求する根性はないだろうが、米軍への思いやり予算に加えて、この対米従属は目に余るものがある。
日本政府が米国にどこまで細かく指示されているか、そして2008年以降、その指示のうちどれを実行していくかを知るためにも、一人でも多くの方に規制改革要望書を読んでいただきたいと思う。
在日アメリカ大使館ホームページより(PDF) 日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書
2006 年12月5日 (仮訳)
http://tokyo.usembassy.gov/pdfs/wwwfj-20061205-regref.pdf」
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1184728_629.html
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