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2007年12月11日
国民が求めているのは真剣で本物の外交である
「国民に知恵がついてきたから仕事がやりにくくなった」
これは後に外務次官まで上り詰めた外務官僚が部下を前にして語った言葉である。10年ほど前の事である。
この外務官僚の期待に反し、世の中は外交に関する報道が格段に詳しくなった。それに伴って国民が外交に関心を持つようになった。誰もが外交について意見を持つようになった。その結果外務官僚が独占していた外交の粗末さが国民の知るところとなった。
もはや外務官僚はごまかすわけにはいかない。嘘をついても必ずばれる。外務官僚は真剣な外交を国民の前で行わなければならないのだ。果たして外務省にその能力があるのか。外務省、外務官僚の外交能力が、今まさに問われているのだ。いつまで経っても行き詰まった外交から脱しきれないでいる。ひょっとしたら外務省には激動する国際情勢に対応できる外交能力がないのではないか。冒頭の外務次官の言葉は外務省の能力のなさが国民にばれる事への深刻な怯えではなかったのか。
どうやらブッシュ政権は中東政策を転換させたようだ。「テロとの戦い」を勇ましく戦っては見たがうまく行かない。もはや時間は限られてきた。このまま強硬路線を貫くよりは、フィニッシュを飾る事に専念し始めたようだ。効果がないとわかっていながら中東和平の国際会議を開催し、和平に熱心なブッシュ政権を演出しようとした。米国情報機関が突如としてイランの核疑惑を否定する発表をした。イラク攻撃は行わない、行う余力はない、というメッセージなのだ。「親愛なる委員長殿」という呼びかけでブッシュ大統領は金正日総書記に親書を発した。非核化に向けてなんとか協力してくれ、協力する振りをしてくれ、少々の事には目を瞑るから世界に向けて米国に協力したと言ってくれ、そういうメッセージなのである。
米国の同胞である英国はさすがにそのようなブッシュ政権の変化に気づいている。11日の朝日新聞は小さな記事ながら重要な報道を流していた。ブラウン英国首相は9日、イラク南部バスラ州の治安維持の権限を2週間以内にイラク側に渡すと発表した。その英国は来春から英軍を4500人から2500人に削減する事を10月に発表したばかりだ。
ブッシュ政権はもはやテロとの短兵急な正面戦争がうまく行かない事を悟って、長期戦に切り替えようとしている。米国の同盟国もその事に気づき始めた。イラクから手を引き始めた。米国もそれを認めざるを得ないのだ。
そんな中でただ一人、給油活動の継続こそ日本の国益だ、日本外交の最重要課題だ、といい続けているのが福田首相だ。福田首相にそれを言わせているのが外務省、外務官僚である。ブッシュ政権の本心をつかめないままに、米国に協力することが国益だと一人相撲をしているのだ。
国民よ、目覚めよ。この国の総理大臣や外務官僚はこの程度の仕事しか出来ないのだ。自らの頭で考えよ。政府に情報公開を求めよ。政府の嘘を見抜け。そうすればおのずからわかる。「テロ特措法」延長問題をめぐるこの国の政治の大騒動が、いかに馬鹿げたことであるか、ピントはずれであるかを。
この茶番劇は年末を控えてクライマックスになる。面白い事が何もない今年の年末だ。国民はこの顛末を興味深く注視すればいい。この上ない外交の勉強になる。外務省は正しい外交の反面教師である。
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