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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071207k0000e040037000c.html?inb=yt
死刑執行を巡り、死刑囚の氏名や執行場所などが公式に明らかになることは、日本の死刑システムの特徴として内外から批判されてきた極端な閉鎖性から一歩脱却したことを意味する。究極の刑罰ではあるが、同時に行政が法律に従って実施する行為でもある。公開の流れは遅すぎたくらいだろう。
方針転換の直接のきっかけは、今年8月下旬の鳩山法相の就任だ。鳩山氏は死刑は必要と強調しつつ、「法相が絡まず執行が自動的に進む方法はないか」、「死刑囚の名前すら公表していない現状を続けるのか」などの発言で波紋を呼んできた。
「友人の友人はアルカイダ」をはじめ、同氏の発言は誤解を生みがちな面もあり、死刑に対する言及も疑問視する反応が少なくなかった。だが、「『自動化』はともかく、氏名公表には法改正するハードルがない」と前向きに考える法務省幹部もおり、今回の流れが形成されていったとみられる。
死刑に反対する立場からは「一部の情報公開で制度の安定化を進めるつもりではないか」と揶揄(やゆ)する向きもある。今のところ、執行のタイミングや対象者がどう決められているかなど、核心部分が開示される可能性は低い。だが、09年に始まる裁判員制度では、市民が死刑の可否を判断しなければならない事態が生じる。そう考えれば、制度の存廃を含めた幅広い議論のため、秘密主義のさらなる見直しが求められる。【坂本高志】
<関連記事>朝日新聞
死刑、初の氏名公表 法務省、3人執行と発表
2007年12月07日12時09分
法務省は7日、3人の死刑を執行した、と発表した。法相が執行命令書に署名しなくても執行が進む「死刑の自動化」を提案した鳩山法相の下での初めての執行となった。発表にあたり、同省は初めて、対象となった死刑囚の氏名と犯罪事実、執行場所を公表。「情報公開することで死刑制度に対する国民の理解を得られる」との狙いから、実施の事実だけを伝えて氏名などは一切公表しない従来の方針を転換した。
07年中の執行は、長勢法相時代の6人とあわせて計9人で、年間の執行者数としては76年以降で最多となる。刑事事件の厳罰化の流れのなかで、死刑確定者は増え続けており、この日の執行後の生存死刑囚は104人となった。
発表によると、執行の対象になったのは藤間静波死刑囚(47)と府川博樹死刑囚(42)、池本登死刑囚(74)の3人。藤間、府川両死刑囚は東京拘置所で、池本死刑囚は大阪拘置所でそれぞれ執行された。
発表された犯罪事実やそれぞれの確定判決などによると、藤間死刑囚は81〜82年、横浜市で盗み仲間の男性(当時20)を刃物で刺殺したほか、神奈川県藤沢市の女性(同16)ら一家3人を刺殺。一緒に逃亡していた元店員の少年(同19)も兵庫県尼崎市で刺殺した。
府川死刑囚は99年、女性との交際費に困って東京都江戸川区の無職女性(同65)に借金を申し込んだが断られ、女性とその母親(同91)を刺殺した。
池本死刑囚は85年、隣人から自分の畑にごみを捨てられるなどの嫌がらせを受けたなどと思い込み、徳島県内の自宅にあった散弾銃で近所に住む3人を射殺し、1人に重傷を負わせた。
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200712070128.html
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