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http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071205ddm005070170000c.html
海上自衛隊の補給艦をインド洋に戻すための新テロ対策特別措置法案が4日、ようやく参院外交防衛委員会で審議入りした。法案の衆院通過から、実に3週間が経過している。首相の海外出張などの事情があったにせよ、立法府としてスピード感に欠けると言わざるを得ない。
与野党が逆転している参院だけに、焦点は民主党の対応である。初日の議論を聞く限り、質問に立った議員によって主張のポイントは異なるものの、法案に反対する基本姿勢に変わりはなかった。
反対を貫くのはいい。しかし、アフガニスタンに対して日本は別の形で貢献すべきだと訴えながら、いまだに民主党が独自の対案を国会に提出してこないのはどういうことか。法案の生殺与奪権を持つ参院の第1党として、対案なき反対は説得力を持たないことを自覚すべきだ。
国際社会が協力して取り組んでいる「テロとの戦い」に、日本はどのような形で関与すべきなのか。新テロ法案の核心であるこの論議が審議を通じて一向に深まらないのは、民主党の対案が遅々として登場せず、給油活動との比較ができないためである。
民主党が対案作りを放棄してきたわけではない。小沢一郎代表が国際治安支援部隊(ISAF)への自衛隊参加を提起したことをきっかけに、対案の検討が始まり、11月半ばの党外務防衛部門会議に「テロ防止のためのアフガン復興支援特別措置法案」の要綱にあたる骨子案が示された。
その内容は、多数の死傷者が出ているISAF本体には参加せず、「停戦合意が成立している地域」や「民間人への被害が生じないと認められる地域」で自衛隊や警察官が民生支援を行うというものだった。また自衛隊の武器使用基準は、現行よりも制限を緩めることを打ち出している。
ところが、党内から骨子案に対して「停戦合意をだれが判断するのか」「机上の空論ではないか」などの異論が続出し、法案に仕上げる作業は中断したままだ。
もし、民主党が対案を提出したら、政府に代わって答弁に立たなければならない。詳細な現地調査を踏まえていないその内容は確かに精密さに欠け、与党側は徹底して民主案のほころびを攻撃することだろう。民主党が対案を出そうとしない最大の理由がそこにあると言われている。
4日の質疑では、民主党議員が「インド洋での給油をやめろというのが我々の対案だ」と発言し、政府側をあぜんとさせる場面があった。別の同党議員は、国会承認規定が政府案に加われば賛成できるという考えを強く示唆した。そもそも新テロ法案に対して民主党内の意見は一様ではない。
臨時国会は15日に会期末を迎える。委員会の定例日は週2日しかないため、残りの審議日数は3日を残すのみだ。国会は再延長含みになる見通しだが、民主党はこのまま対案なき反対論を繰り返すのか。それは政権交代を目指す党の態度ではない。
毎日新聞 2007年12月5日 東京朝刊
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