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『国家的ネコババ』に煽られつつ右傾化してきた日本国民の悲劇の深層
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/890.html
投稿者 鷹眼乃見物 日時 2007 年 12 月 05 日 06:48:56: YqqS.BdzuYk56
 

[歴史の評価]『国家的ネコババ』に煽られつつ右傾化してきた日本国民の悲劇の深層


<注>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071204


【画像】京都、晩秋の風景/プロローグ

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あの小泉劇場(紛れもなく、ヤクザ型政権によって作為的に仕掛けられた幻想民主主義)から現在に至るまでの間に、我われ素朴な日本国民の多くが『政・官・財・その筋&一部メディア』の癒着構造に煽られつつ、「テロとの戦い」と「美しい国」の大義の下で血税をネコババされながら、そのうえ酷く騙されてアナクロな右傾化への“切ない恋慕の情”(?)を募らされてきたことは間違いがなさそうです(この点の詳細は、下記★を参照乞う)。


★2007-11-29付toxandoriaの日記/“ジャーナリスト出身”のN.K.財務大臣は福田内閣に潜む“その筋”の闇を“どんだけぇ”隠すつもりっすか?、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071129


ところで、我われにも「成長率、金利、税収の三つのバランスが国家の財政運営に大きな影響を与える」ことは理解できます。しかしながら、『御上の借金踏み倒し』(=一般国民に残酷な無限責任を負わせつつ『特別会計システム』という名の打ち出の小槌で国家の失政に伴う莫大な借金を偽装的に踏み倒し、止め処なく国民からカネを収奪する手法)を詐欺的なノリで誤魔化しながら、極貧層や弱者に対し逆累進的な負荷を及ぼす目的税化した消費税等による一律課税(増税)を日本の未来のため受け入れろと要求するのは余りにも理不尽で許すことができません。


また、これに追い討ちをかけるかのように厚生労働省の「生活扶助基準に関する検討会」(座長:樋口美雄・慶大教授)は生活保護制度の問題点を指摘する報告書を11月30日にまとめました。それによると、生活扶助額(2005年実績=約0.7兆円)の引き下げだけにとどまらず、生活保護の約7割が高齢者を中心とする単身世帯であることを踏まえて、生活扶助額の水準を判断する基準を「夫婦と子供一人の三人世帯」から単身世帯に切り替えるよう求めることとなっています。更に、家族が増えた場合も単純に生活扶助を人数加算するのではなく、加算額を徐々に減らす考え方などの厳しい内容が提案されています(情報源:2007.11.30付・日本経済新聞)。


「防衛疑獄」や「特別会計」の闇による、少なくとも数兆円〜十数兆円に及ぶ『国家的ネコババ型・癒着構造』による莫大な国家予算の無駄遣いを放置しながら、その一方で日本国憲法が謳う「国民の生存権」の最後の砦でもある生活保護の水準を引き下げるという日本政府のアンバランスで冷酷な仕打ちは、“100年以上前にできた古い民法上の観点から、「借金に関する無限責任の原則」が個人に対し徹底的に追及される「非人権的」な日本の現実を併せ考えると、果たして、この日本は民主主義国家であるのかとの思いがこみ上げてきます。これに比べれば、渦中の「サブプライム・ローン」(米国型ノンリコース・ローン)の方が遥かに“人権的な制度”に見えてきます(この論の詳細は、下記▲を参照乞う)。


▲2007-11-26付toxandoriaの日記/サブプライム・ローン妄想/『御上の踏み倒し』と『国民の無限責任』に頼る日本型民主主義の貧困、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071126


ついでに、もう一つ日本の冷酷な現実を付け加えるならば「現行GDP計算方法の非合理性」の問題があります。別に言えば、それは“物価の計算方法が実態経済からかけ離れつつあるため、これが日本の貧困層・弱者層を直撃している”ということです。近年における日本経済の評価は実質経済成長率に基づき行われることになっており、近年の経済成長を牽引してきたとされるIT関連等高付加価値企業の価格変動要因(GDPデフレータ)は生産性が高まれば“値下げした”、つまり価格(物価)が下がった(デフレ傾向化)と見なされます。


このため、「家計消費に対象を限定する消費者物価指数」と「設備投資なども対象とするGDPデフレータ」の間の乖離がますます大きくなり、日本政府が発表するデフレのトレンドと実際の生活感覚とのズレが拡大(原油高騰の煽りなどによる物価上昇に苦しむ庶民層の生活苦と富裕層との格差が拡大)しつつあり、そのマイナスの影響は特に低所得層を激しく直撃しています。つまり、我われの日常生活がGDPデフレータ(=物価上昇要因)を加味した名目経済成長率の中で行われているにもかかわらず、日本政府は、国民生活の現実との関係が希薄な実質経済成長率に従う諸データに基づき経済・所得政策等に取り組むという、まことにオカシナ(意図的に格差拡大要因が隠されている?)ことになる訳です。


この段に至っても、<右傾化傾向>と<国家的ネコババ型癒着構造>の誤魔化しを最優先課題と位置づける「福田政権」は、「小泉“ザ・ヤクザ”政権」の置き土産である「防衛疑獄」と「特別会計」関連疑惑の火消しに躍起となるばかりのようです。まことに情けないことです。


ところで、『生産性年次報告書・ 2007 年版、http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000837/attached.pdf』は、“今後、我が国の労働生産性向上を加速させるためには、IT 投資だけでなく、IT による技術革新に適合するための(1)人材育成や(2)組織形態の変更が極めて重要である。日本では、こうした人的資本投資や組織資本投資組織改変に伴う費用)が米国や英国より低い状況にあるため、今後は特にサービス業(日本のサービス産業の対GDPシェアは既に7割を超えている)においてこうした無形資産を重視することが求められている。”と述べています。


この報告書の主張は尤もながらも、上で見たような<GDP統計上の矛盾>を放置し続ける「小泉政権〜安部政権〜福田政権」には、「我が国がボーモル病のジレンマに嵌っている現実」を意図的に誤魔化そうとする隠れた意図があるのではないか思われます。なぜならば、特に今後は医療・福祉分野など「国民の生存権の基本」にかかわるサービス産業部分の市場化・合理化への取り組みが要求されている訳ですが、“国民皆保険の原則”を有名無実化する一方で、“この分野に従事する人々の労働生産性を都合よく政府が評価する”ためには、この<GDP統計上の矛盾>を放置した方が好都合だからです。


<注記>ボーモル病のジレンマ
・・・ボーモル(W. Baumol)=ボーエン(W. Bowen)の『舞台芸術―芸術と経済のジレンマ』(参照、http://www.geocities.com/grassharp20042000/culture/culture.html?20075)から敷衍された仮説。つまり“生産性上昇の可能性が高い製造業と生産性上昇の可能性が低いサービス産業が並存する経済環境下では、サービス産業のウエイトが高まる結果として、その社会全体の経済成長が低くなる”と想定される。

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