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原田武夫 「最後に選ばれたのは、実は日本であった」という話 (…来年からの事を言うと鬼が笑うか?)
http://www.asyura2.com/07/senkyo44/msg/807.html
投稿者 新世紀人 日時 2007 年 12 月 01 日 17:14:18: uj2zhYZWUUp16
 

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/e4efb375aab34328d24a8cb2f81643a6
「最後に選ばれたのは、実は日本であった」という話

「日本終末論」を振りまく破壊ビジネスの立役者たち


最近、米国流の構造改革の継続を喧しく唱える「破壊ビジネス」の立役者たちが日本の大手メディアに復活してきている。正直、「もう、アンタはお呼びでない!」のであるが、あえてその主張をここで簡単にまとめてみると次のとおりとなる:

●日本は未だにデフレであり、経済成長率も低めにとどまったままである。そうした状況に陥った最大の要因は、「構造改革」がまともに継続されていないことにある。

●「構造改革」によって、とりわけ地方が取り残され、貧しくなった結果、格差社会が到来したとの批判がある。それは大きな誤りであり、地方のとりわけ農業にこそ、「構造改革=規制改革」を実施する必要がある。大規模農業を可能とする法制度の整備が必要だ。

●また、地方との格差を解消するカギとなるのが、地方分権。道州制の導入により、より効率的な地方自治を実現することが不可欠である。

はっきり言おう。もう、この手の「構造改革」論に国民は騙されない。2005年の秋に山場を迎えた「郵政民営化」の議論を経た今、こうしたもっともらしい「破壊ビジネス」論者の議論の裏側に、実際には米国のファンドや投資銀行といった「越境する投資主体」たちの利権が渦巻いていることはもはや明らかなのである。具体的にいえば以下のとおりであろう:

●大規模農業への転換を唱えるのは、そうしたビジネス・モデルで世界中を席巻してきた国際農業金融資本のためであることは明らか。膨大な資本力を背景に、容赦無い価格競争に入ることが可能な彼らを前に、戦後農地改革によって自作農となった日本の農業従事者たちは、続々と「土地を持たない農業労働者」か、「農業を放棄した他のセクターにおける労働者」へと転換を余儀なくされる。前者は特に問題であり、現地の安い農業労働者を搾取することによって成り立つアグリビジネスが、欧米系資本が伝統的に持つビジネス・モデルであることをあらためて思い出すべきだろう。

●道州制への転換によって、セクター内での再編が最も加速するのが地方銀行である。未だに多額の不良債権を密かに持つ地銀勢は、圧倒的な情報リテラシー不足で海外投資もままならず、多額の資金をいわば「宝の持ち腐れ」としている。道州制導入ショックの中で再編論議が行われれば、当然、こうした「宝」は世間に放出される。さらに、地方に所在する優れた技術力を持った非上場企業(その多くが中小企業)に対するファイナンスを行っているのが地銀勢であることを考えれば、地銀を握ることによって、これら企業をコントロールすることができるという旨みを米系の「越境する投資主体」たちが見出していないはずもない。


「まさか」と思われるかもしれない。しかし、とりわけ第2の論点は、とりわけ現在話題となっているサブプライム・ショックの餌食となったドイツの地方銀行勢が味わっている苦難から、容易に見て取れるものである。ユーロ高を支えているのはドイツ経済であり、そのドイツ経済を支えているのは、非上場の中小企業群である。しかし、これら企業は「非上場」である以上、オープン・マーケットでは買えないのであって、米系の「越境する投資主体」たちからすれば、厄介な存在である。そこで考え出されたのが、これら企業のいわば「川上」に所在する地方銀行を貶めることであって、その手段がサブプライム・ショックだったというわけである。地球の裏側で現在進行形で起きている出来事をつぶさに知っている立場からすれば、日本の「破壊ビジネス」の立役者たちが再び声高に述べ始めたメッセージに密かに込められた意図は、もはや歴然としているというわけなのである。


「最後に選ばれたのは実は日本であった」という情報

「破壊ビジネス」の立役者たちが語るこうした「日本終末論」に騙されてはいけない。なぜなら、大手メディアは一切語らないが、実はマーケットの最深部において、今最も注目を浴びつつあるのは、何を隠そう、私たちの国=日本だからである。

このコラムにおいても、おいおいその「全体像」について語っていこうと考えているが、今回はそのポイントだけ、まずは記しておこうと思う:
●円高・ドル安になって「日本マーケットは崩壊」と語るのは誤り。むしろ円高になると、平均株価が上がることに注意すべき。

●その際、ポイントは中国、および東南アジア。ドル安に持ち込まれる中で、これらの国々は日本との関係、とりわけそれぞれの国々の通貨の対円レートが相対的に現在よりむしろ安くなる可能性がある。その場合、これら諸国から日本に対する輸出ドライブがかかることになる。

●輸出ドライブがかかるといっても、中国・東南アジアは共に中間財・資本財を自らつくることができず、結果として日本に依存することになる。そのため、それまで好調であった対米輸出主導の大手メーカー(自動車など)にかわり、精巧な部品をつくるなど優れた技術をもった小型株該当企業が日本経済の「花形」となっていく。

・・・もっとも、これだけであれば、ある程度、予測がある程度はつくことなのかもしれない。しかし、重大なのは次のポイントだ:

●来年早々に内需関連企業が急騰する可能性がある。これまで「死んだ」かのように見えた内需セクターがまたぞろ息を吹き返し、これらが平均株価を一気に押し上げていく。そうした状況を作り上げるのは、内発的というよりは、むしろ強制的に課される外来的な要因によるものである可能性が高い。「内需=公共投資」という既成の枠組みにとらわれた私たち=日本人には想像もつかない規模で事態は進行し、内需は花形となる。

まとめていえば、1)日本の屋台骨ともいえる中小企業が前面に躍り出る展開となり、2)その際、一部のベンチャー企業(新興市場銘柄を構成)も潮目を見極め、波に乗り、3)他方で輸出関連企業に代わり、内需関連企業が一斉に上昇へと転ずる、ということである。これを、「金利上昇余地がある主要通貨」としての日本円が支持し、助長していくことになる。当然、そこでBRICsを中心とした諸国への海外投資に励んだままの者たちは馬鹿を見ることになる。なぜなら、「最後に選ばれたのは、私たちの国=日本」なのであるから。

どうやらこうした「好転する近未来の日本」を福田康夫総理大臣はご存知のようである。最近になって、妙に来年7月の洞爺湖サミットに対する関心を示し始め、「所詮、来春行われる総選挙までの命だろう」とタカをくくっていた外務官僚たちをあわてさせていると聞く。また、こうした福田総理の姿勢変更は、地球の裏側=ワシントンではもはや「常識」と化しているようだ。

まもなくやってくる中国バブル第一次崩壊の「決定打」。そこでいたずらに流される悲観論の裏側に、実は「選ばれし日本における、選ばれし個人投資家たち」をめぐる無意識の争いがあることを、私たちは忘れてはならないだろう。―――激しく乱高下するマーケットの中で今、キリスト教が描く「淘汰」にも似た、選別の時代が静かに始まりつつある。

2007年11月28日
原田武夫記す

[新世紀人コメント]

来年早々には、「北朝鮮のアジア経済への本格的仲間入り」への道がスタートする。
「朝鮮戦争」は終結する。来年中には確定する可能性が高いと言えよう。
そうなると、北朝鮮経済がアジア経済を活性化させる大きな要因となる。
その意味で、原田氏の上の論文での指摘について東アジア地域についても具体的なイメージを掴む事が出来るのではないのか。
ちなみに、現在の日本の政治情勢が停滞して前に進まない有様に見えるのは、米朝和解の具体的進展具合がハッキリとした形を表わして来ていない事が「根底的な理由」であろう。
つまり、民主党をはじめとする野党側も、自民党を中心とする与党側も、
確定的な政治戦略を「画定できない」、つまり選挙戦に望もうとしても選挙戦略が建てられないのである。
例えれば、先の大戦において敗戦を迎える事がわかっていた時に、敗戦の直前に選挙を行う事は出来なかったであろう。
それと同じことであろう。
「朝鮮戦争の終結」は、イラク・アフガニスタンでの米国の敗戦の片面であり、それだけに衝撃は大変に大きい。
対米従属を続けてきた我が国の政界も、イラク戦争とアフガニスタン戦争の敗戦を属国的に体験する事になる。
「朝鮮戦争の終結」は、従って、「先の大戦の敗戦」に似たような政治的衝撃をもたらす。
日本の政界が動けないのは当たり前であろう。

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