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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20071129-01-0702.html
2007年11月29日 週刊文春
自民も民主も公明も実は皆、勝つ見込みがないので衆院選が怖い。どの党も本音は解散を望んでいない折も折、自民党のど真ん中で「早く解散しろ」と叫ぶ男がいる。そう、またあの男、小泉純一郎元首相その人だ。
と言っても海外での話。十一月十三日、小泉氏は米モルガン・スタンレーに招かれ、シンガポールのホテルで二千人近いアジア・太平洋地域各国の企業家・投資家を前に英語で講演(もちろん原稿あり)。「日本の次期衆院選は近い」と厳かに予言したのだ。
永田町では沈黙して気を持たせ、海外で気になることを言って注目を集めるなんてパッとしない芸能人並みだが、抜け抜けとやってのけるところが「何てったってコイズミ」なのである。
「大連立をすっ飛ばし、一気に政界再編へ持ち込もうという思惑でしょう。年来の持論ですから。まさに『自民党をぶっ壊す』わけで、また小泉劇場が始まる。世論の喝采は間違いない。自身の再登板は百%ないが、そこで一方の勢力の象徴になるつもりです」(全国紙デスク)
もっとあなどれないのは国際的名声。シンガポールの後には国賓級の待遇でベトナムに招かれ、近く中東も訪れる予定だという。「小泉構造改革の名は海外で広く知られ、評価も高い。名声を足掛かりに中東和平でひと肌脱げば、ノーベル平和賞も夢ではない、というのです」(外務省関係者)。にわかには信じ難いが、米大統領一家の面前でプレスリーの物まねをする(しかも現役の首相。それも日本の。とほほ……)くらいだから、何をしでかすか知れない。
相変わらずぶっ飛んでいる小泉氏に対し、二カ月前に喧嘩別れした「超大物秘書」飯島勲氏も負けていない。こちらは東大の客員教授になろうと画策していたというのだ。
「飯島氏は首相秘書官時代に培った中東・中央アジアの人脈を生かし、外交方面で活躍したいらしい。相手国向けにもっともらしい肩書きが必要なんでしょう。さすがに丁重に断られたそうです」(小泉チルドレンの一人)
今のところ小泉氏とよりを戻す気配はないが、事務所を飛び出た経緯から、「小泉再登板説」は飯島氏の言葉巧みな自作自演だったことが露見。「飯島氏なしの小泉氏はあり得ても、小泉氏と切れた飯島氏に力はない」(同前)。しょせんライオンの威を借るタヌキ(?)でしかないのか。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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